昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

全体主義の街

潜在意識に語りかけるものなど、ニセモノだね、と遠吠えする野良犬どもが徘徊する長くも儚く、短くも退屈で、自覚するよりも早い速度で迫る意味などは、依然としていらぬ心配ばかりをしているだけに満たず、誰もが、誰をも信じなくなっていった夜が厭わしくからまり、怪訝な街がかかえたニヒリズムが鈍色の空にまじわり、不潔さを醸し出していく。瓦礫に埋もれた心情を拾い集め、路肩で眠る陶酔した現実どもをたいらげ、街は急成長をとげ、何かを無駄にむさぼり、新たな意味を頬張りながら、いばりちらすだけの威勢の良さや、居心地の悪い現実から逃げ出すニヒリストのウサギや、過程に盛られた罪という毒に吸い寄せられる連中や、羞恥心もなくなり、争うだけの街並みが治外法権のように見え、温もりすら死に絶えたかのように見えるような心が歪んでいるから、純粋なものすら、汚く見えてしまう。順序もなく、ただくたびれた人混みが、果たすべき義務を求め、ただ矛盾していく帰り道から乖離し、理解を越えて抗う先に愛も踏まれる。死を吸収するような愛が絶えた後から滲む臭気が夜を覆い、あふれる感情は、行き場もなく、ただ暗い夜道をさまよい、抗うほどにからみつく死を超えるようなものを生み出さなければ、自らを認識することすらできないような激情をかかえ、観点を失い、ただ老化する日々を傍観するようでは、いくら探しても、自分などは見つからず、与えられた脅威が不安を生み出し、生を惑乱させ、よどむ感情は、荒んだものをかかえ、解消できずに、昇華することを目的に今や意味にすれ違い、関連性を破壊するような喧騒に添い寝する孤独を孕み、君は幾重にもからまる苦痛を乗り越えようとするほどに、不安は君に寄り添い、君を苦しめるためのメロディーを、自らが生み出すような欠如が加速し、今に関わるいじらしいものが、自らを束縛し、苦しむほどに、過激なものが生まれ、今に希望を失わせるような言辞や原理が降り注ぎ、理解する間もなく、迫る意味は君の住まいを奪い、苦しむことに基礎を生み出す。あらゆる夜は創造性を失い、制度を作り上げ、抗うほどに自らを拘束し、あらゆる苦しみに寄りかかる意思がはびこる意味にバビロンを作り出し、枯れ果てた思いが磔にされ、叶わぬ思いがヒロイズムを加速させ、今に思考停止におちいらせ、自らを救うのは、自らしかできず、美辞麗句が迫り、狭い価値に入り込み、自らを迷わすことだけが、あるいは、正しいとされるものが、因果の中で倒錯し、未熟な関係が持ち出す愛が背徳をかかげ、関わり合いが深まるほどに価値に神を見出し、自らを疎外させることに専念し、捻出される価値が同意を求め、似非平等主義を作り出し、不自由が自由を操作し、民主主義の中での衆愚に混ざり、自らを神として崇めることでしか、自らを正当化できぬような観点が生み出した無機質な者が並べる思想が跋扈し、今に苦しみを加速させる速度に置いていかれた感情は、戻ることばかりを考え、過去にすがり、今に現れる苦しみから逃れるために、繰り上げられる快楽の傀儡として、夜に統合され、全体主義の街に統制されるよろこびにひたるほどに、求めるだけの快楽は枯渇し続け、埋まらぬ欲望が加速し、今に課せられる罪の道具として働く。現実から羽ばたき、自ら羽ばたく音だけが反響し、虚偽表示ばかりが目立ち、虚飾でできた人間が徘徊する間にも幼気なものも生まれ、あふれる思いが永劫に敷衍し、動機を超越しては、寂れた雰囲気の中で上手に歌い上げる鳥の魅力に気付くようなリリカルなものをたずさえる詩的なものだけが正義であると叫ぶ間にたゆたう君に会いたいと思えるような要因に示されるものなどを飛び越え、与えられた罪にあてがわれるものを放棄し、現れる論理の外にだけ正しさは現れるような詩的な想起だけが、この喧騒から抜け出し、堕落したものから抜け出す。どこにも誠意はなく、誰もがかかげる正義を乗り越え、現れる罪などは、誰かを苦しめるための道具が、今を保つために、ためらいを生むような鈍麻な感情が先々に亀裂を生み出し、今を阻めるだけに蛇行する感情は、感性を持たずに欲望のままに使い果たすのがエゴイズムである、という勘違いが、エゴイズムのあり方を見失い、自らを正しく認識させるために、自らが正義を生み出すことが本当のエゴイズムである。分類された夜が分別を求め、自らを分裂させ、今に促されるものが告白を続け、うそぶく精神が意味を切り開き、悲観する動機が時折を締め付け、使命感を煽るような領域から締め出され、惰性な時に進行するものが行為を締め付け、今に希望を失わせるようなものが迎合や抵抗を加え、応じる過程に与える温もりを与え、貧寒さを生み出す定義を乗り越え、平和を謳うよりも、平静を用い、何かを陥れるよりも、外から襲いかかるものを跳ね除ける。何かをもたつかせるようなものが権利をもたらし、今を拘束する。あらゆる苦しみを復元するような権利を破棄し、生きたままにもたらされる純粋なものを、はじめて正義として迎える。探し出されるべき愛を攪拌し、思いに足枷をはめる誠意を取り外し、身軽に今を飛び越え、確かな思いだけが感性を生み出し、気軽に今から羽ばたくことは、自由を思わずに、自覚する前に、自らから、越え出て行くことだけが、なにものにも流されずに、自らに帰り着き、行き着く思いに苦しまずに、自らを生きる、ということなの、だ。