昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

音程


 やめていたはずのタバコを吸いながら、無意味な音を観測している。不自然に調律される音階の調べは、不愉快ながら、何か嬉嬉としたものを大気中に微量にふくませ、汚れた意味を形成しているなどと退廃的な言葉で埋め尽くすのは、低気圧のせいか、とうなだれるよりも、うわずるような声を発するだけのカラスの鳴き声が、鼓膜をふるわせ、高慢な者が支配する云々と、世界を否定するよりも、おもしろい意味をまさぐるような関係に制度すら不潔に思えるような夜に支配される以前に、何かから乖離するようなよろこびの揺籃で眠り、夢の中での神秘的な帰路をたどり、怠慢な意識がたどり着くデカダンスな風景をよぎらせる詩的なノイズが形成するノスタルジアで、痙攣する夜明けが、銀河が一律の悲しみをうながすだけの今朝に排斥されるだけのスラングや、衰亡する意識の過程に生み出される哲学的な酵素を生成しながら、しなびたふんいきが醸し出す鬱陶しいほどの非道さを保つだけのキャピタリズムの空疎な刺激を受けながら、鍵盤をたたくたびに昇華する思いが逍遥を続け、受け付けないものほど、気になるものであり、それを否定し続けるほどに、与えられる影響にかさばる思いは、陰鬱な衝動を空間に吐き出し、派生する意識は、様々な思惑の中で怪訝なものを重ね、重荷に変わるらしい、と黒猫がカタルシスをうながす水中を泳ぐような感覚で、脳内を循環し、おぼろげなものを気ままに排除するだけの資本的な猶予にひしめく思いが、思念を孤立させ、膠着する意識は、永劫の彼方で、荷担するだけの義務の中でダンスすることが、あたかも生きているように思え、と強制的にうながすような瞬間に犠牲的な精神をうながす信仰心などが、今を疎外させるだけにいたるから、人間とは、いつまでたっても誰と居ても、孤独なままなのであるし、やがて、その孤独の中で示唆されるものを思案していることが、あたかも考えているように思わせられるだけに浸るような世に警醒をうながしたところで、快楽的なものが受注し続ける生産的なものに支配されるほうが、清潔であるかのように思わせられ、色あせるだけの路地から、排出され続ける毒気を健気に吸い込み、もののあわれなどを謳うほどに、哀れみなどは、淡いものである、ということに気付かずに起動させられ、いつかは、強制終了させられるだけにいたるような日々に結末などを仰ぐだけの終末論的な快楽の傀儡として操作され、ファシズムが加速し、死へと能動するだけの順応を呼び覚ますだけの諦観へと汚され、擁護され続けるほどに、この命とは、補完されるだけのものへと交換されることだけが、この世界の仕組みであるのだ、などと有史以来引きずっているだけの関連性から、制度は付着する意味を扶養し、あたかもしあわせを装いながら、自らの手を汚さずに、生命を奪うことだけに専念するような世界こそが、欲望に従順であり、欲望の下僕として、迎合されるものに流されることだけが、生きやすくするのだ、という容易い思いが、高次へといたらずに、あらゆる意味で今を加工し、悔悟を埋め込みながら、病的なままでにうながされる教育が埋め込んだ協調性という混沌に飲まれ、そこで統合されることだけが、正常であるなどと謳うほどに、正常さにもとづく異常さに気付かずに、徒に消費される精神は、敬神にひたり、いたわることなどを謳いながら、虐めるだけにいたり、とがめられた精神は、どこにも行き着くこともなく、ここで語られる言葉の傀儡として、被害者意識を加速させ、仮想とされるものを崇めるほどに、あがない続ける意識は、あいまいなものを称えながら、途切れ途切れの精神を、何とか保とうと、うとましい現在に原罪などを埋め込み、多様性を謳いながら、孤独を絶えず進行させるだけの情報から譲与されるものなどは、何の足しにもならず、孤独感を増させることだけにいたる。ここまでの記録すら本当にあったことかもわからぬままに、このままに進むように仕向ける看板に左右される意識的な汚穢を清め祓うための祈りなどは、空しく今を示唆するだけに浸るものが精神を摩耗させ、そこでの祈りとは、帰依することだけを目的に、何かを取り込み、統制しようと目論む間に住まいなどを形成し、そこで奪い合うことだけに専念するように仕向けられるほどに、自分の行き着く場所などを求めるほどに、虚空を生み出す。あらゆる住まいとは、帰るべき意味を持たず、どこでも落ち着くような場所へと変化させられぬから、どこに居ても孤独は増していくのであり、孤独を謳歌できぬから、その場での苦しみにおちいるのであり、横溢する瞬間は、絶えず今を純化させ、循環するほどに混濁を生み出し、めぐる思いは、そこでの偶像を抱え込んだままに、孤立していくことを恐れ、自らの恐怖に飲まれるから、帰る場所などを必死に求め、止めどない恐怖に犯され、そこでかかえさせられる罪の意識などを抱え込んでいく。