昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

演繹

淫靡な結末にそなわる
メタファーに住まうウサギたちが
運ぶ静謐なモチをたべながら、
がらんどうな精神に
嵌め込むべき愛などはなく、
供給され、共有されるほどに、
貪婪なものに変わるだけの愛は、
欲望だけを加速し、
思うことに枷を嵌め、
世界性を狭め、
センチメンタリズムにさえずる
アリスが乖離していく世界を
ほうむるために、
宣伝的なテレビジョンの中で攪拌され、
糖度すらも消え去った舌先で
堪能するなによりも甘美な瞬間すらも、
感じなくなり、
禁止されるほどに
陰湿になる人民が、
カタルシスを求め、
叙情性をかかえ夕日に
欠けた者どもが
復讐を生産し、
聖戦などを謳いながら、
暴力的に世界をほうむることだけが、
ここでのセンチメンタリズムを押さえ込む秘訣なのだ、と
悲劇を措置するだけのペシミズムが放つ
ポエトリーがかかえるペインが
因果律に反し、
合致しない精神に配備される間に
結末を生み出すようなはみだした静謐に
望みがあふれ、
能動的な希望だけが、
ここで複製されるだけの論理的な証拠を超越する。

ドラスティックな一貫性を用いる
彼女たちの心理的な暴虐さが悪臭を放ち、
そこで規制されるだけの
精神が編み込む優美な結末に生じる
記憶的な損害から、
ここで終わることで
骸になることよりも、
そこで蓄積される現実にのまれ、
単に老いることだけに換金されるだけの
生命などは、
生きてというよりも、
生かされていることをありがたく思うべきだ、と
強制的に生み出された悪臭を放つ正義が
虐待を繰り返す精神の先々で配される憎悪が
輪唱する神話的な朝にもだえる寂寞から、
乖離し続ける先に収斂していくものものしいふんいきにのまれ、
軽薄に生じる所以が、
編成していく時折に
織り込まれる悠遠や、
遡及される過去が、
今を飲み込み、
モーションすらも奪うの、と
泣き崩れる彼女は嘘泣きだし、
出し抜かれるだけに至るような恋愛などは、
騙し合いであり、
託すべき誠意もなければ、
そこで誓われた永遠の愛すらも、
ことばにした途端にすたれるだけだし、
そこで交わされた契約などは、
法的に配置されたうわべだけの愛であるから、
私は、私を愛するように
君を愛せないし、
すべてはいい気味だと悪態をつくほどに
つくづくは続く限りに痛みを与えるだけだし、
惰性にみちびかれる君との魔法も解けて、
加算された過去に祝福されるよりも、
そこで修復され、
過去にあったものを美化するよりも、
そこにあったはずのものを破壊し尽くし、
蔓延る悪意だけが、
今を超越し続ける先々で対立を深め、
そこにあった愛も、
瞬時に疲れ果てるだけに至る。

悲観するほどに愛とは増幅し、
複製されるだけの過去が生み出す
主意が打ち出す道理からも逸脱するような
愛に生きることだけを選んだ私は、
懶惰なままの君も愛するだろうし、
そこで老化し、
死と同化した後でも、
ここでの愛は語られる前と同じだ、と
誓わずとも、
近付くほどに、
その愛とは、
あちこちでとむらわれ、
同じような愛に変化し、
還元されることなく、
そこで完成されることもなく、
換金されることもなければ、
そこでバラバラになっても慈しみ、
憎しみを捨てる。