昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

マントラと犬


 悪しきもんなんかどこにもおらんし、正義かかげてる暇も無いから、傲慢なままにいばりちらす君の隣で、加工されるだけの原理がブラックホールに吸いこまれて、混濁する意識の過程が、重力に反し、関する間に保たれる原因にもたれることによって、保たれる関係性などがもたらすもんなんか、いくらあっても足りへんし、いくらかあったら、それはそれで良いし、なければなくてもいいし、確たるもんなんかどこにも見つからんから、勝手気ままに誘導もされんと、ただ道草くって、屈託なく笑ろて、本末転倒なもんや、本格的な孤独か孤立か知らんけど、ここで足しにならんもんばっか集めとる暇もあれへんから、変革を担うとか、変化を願うが故に、偏執するよりも速く動くんが私やからって、君はとどまることを知らんから、とめどなくあふれる孤独を攪拌できんと、意識のパフェをなんぼあっても足りへんって貪り続けるよってに、よしんば過ちであったとしても、加工されるだけの意味に位置づけられる風景の虜になりながら、利己的なもんを愛し、ただ現れるものだけを形有るものとして捉えるだけの現象を這いずりながら、世界を世界として思うことによって、世界とはあたかもその場にあるかのように仕向けられることにいらだつ僕は、暴走し続ける意識の彼方で、宇宙というものすら持たんと、ただ用いられるものに反するモニュメントとして、背き続ける意識をセグメントするだけの部位として、あるいは身体から離れて、恬淡なままに不吉な予感を構想するだけの不安神経症的なカクテルを飲み干し、打点は高いままで、打ち付ける闇が換算されうるだけの機能として、互換性を守るための君の革新的な身体をフラクタルにするための高尚な性行やらがひしめく封緘されるための日々を徘徊しながら、破壊的な闇夜に混在する意識的な汚穢が用いる悲観的な迷路へと迎合するための正当性などは、いつも不当なものをかかげながら、自らを正当化するための正義を用いるほどに、ゆがんだものが培った正義を偽装するための正義を捏造しながら、自らを正しく仕向けようとするほどに、正しさとは絶えずそこなわれるのであり、ただ短絡的な同化を終えるような道理にみちびかれるほどに、ここでの意思とはデータ化され、今にうやむやになり、雲散霧消する一生の先々で、自己顕示欲を埋めるための偽善的な格納庫としてしか生きられずに、ここでの死とは、今に磔にされ、永遠性とは別離し、身体は意識から離れ、身体を捨てた途端に、宇宙よりも広大な意識は、ただひろがる意識の中での意識を捕食しながら、次々に生まれる疑問の中での考えの中での考えの中庸を保てずに、ビッグバンを引き起こし、また振り出しに戻り、巻き戻されるというよりも、何もなかったかのように、同じように、同じことをひたすらに繰り返すことに、終わりも始まりも無ければ、始まる途端に、始まりは終わりとのまじわりを終え、次なるよろこびを求め、ひたすら快楽的に引き込まれるような愛こそが、合い言葉も必要としない、同調よりも強固で、引きつけ引きつけられるといいことよりも、強固な関連性は、制度を持たず、また法というものすら持たずに、善悪すらも超克し、ここで現れるよろこびだけを純粋に愛することが、愛することだということを知ることすら不必要で、ここで知るということは、学ということよりも速く、ここで用いられる愛は、恋よりも強固で、思い出を不必要とし、次々に続いていく思いだけが、思い出を超えて、ここでの愛だけが、次なるよろこびを発明し、とめどない思いは、与することも要らず、また君が君であることすらも求めずに、ただ現れるものを愛するよりも速く、よりよいものをつむぐよりも鋭く、今を巻き込む。たぶん僕らはどこにおっても、どこにもおらんし、どこに行かんでも、どこかに行けるし、てきとうに保身のために繰り返されることが正義に変わるころには、誰かを信じることを忘れて、ただ語られる正義に騙されてるだけなんやで。