昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

空席

むくんだ顔、むしばむ季節、幼稚な音がなびく、瞬間的な化合、散漫な悲劇をうながす、うたかたの夢、悠遠にひびく、断続的な母の歌声、かすかにかじかむ記憶は、数億の孤独感にさいなまれ、離散していく景色は、形式的なものにかぶれ、緩慢な意識は、選択をせまり、退屈な快楽へと引き込まれるから、卑近なものを差し出し、曖昧に断続するものを、あたかも枢要なもののように崇めるのかと、換算されるだけの日々は爛れ、誰かの憐憫に敷衍していく物々しさが、あらゆる苦しみを繰り上げ、必然的な痛みを加速させるのかと、無機質で、無重力な日々は、なにかを迎合することしか考えておらず、あたかも制約的なものに抑圧され、自らを見失うのかと、低劣な真理がいぶかる先に、不確かなものを捧げ、たしなむ意味が徒らに時を消費し、品位などを謳い、多目的な罪を立証するために、描かれていく苦痛を通過し、輪唱される言葉の影や、数多の気配や、背景に処される思い出のフカフカとした柔らかさや、何回も同じように利用されたことにより、離れていくだけの思いは、幾ばくかの可能性を、健気にあたためながら、互い違いになった思いは、新たなるものをめざして、今に潰え、瞬時に消え、軽減されない痛みが、連帯感などを謳いながら、退廃的な所以に乖離していき、理解すら深まらぬ時に、おだやかにまじわる。吐き出される言葉により、今とは形成され、同じような繰り返しにより、確かなものが生まれるようで、同じようなものの中から、あらゆる悲劇も加工され、あたかも似たような間から、あいまいに手懐けられる。