昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

召される速度

猫鳴いて春も終わって、眠れぬ夜にも飽きたから簡単に今を消費して、苦しみ紛らわし、惑わす精神をそぎ落として、雨濡れた季節とダンスして、そつない君との恋を踏みにじって、しとねに沁みた愛が嫉みに変わる前に、ねじれた精神が恨みに変わる前に、いさかいばかりの世界から放たれ、むすばれる愛は進化を遂げて、転げ落ちる世界や、大騒ぎする連中から離れ、はびこる悪意を加速させるだけの堕落した奴らが抱きかかえているものが、はたして愛なのか対価なのか、貸与しているものなのかは知らないが、主体性すら破棄し、制御不能なのままに進む。絡みつく思い、無駄にしたい日々、憎しみの後から宇宙は出来たんだと、神さまが語っていて、凍てつく宇宙空間では、愛だけが頼りなのに、誰もが愛は不確かだし、愛なんて信じられるわけもないと、やけにうるさく嘯くから、実は、愛がなんたるかを知っているくせに、恥ずかしいからって知らないふりしてるだけだなって、なんか納得して、凍てつく空間で区域なんかを作り、そこで罪なんか作って、裁きを加えるから、猜疑心で、この空気は埋め尽くされる。愛着なんてこの世界にはないから、内服する罪や、蓄積された意味なんかを信心して、むすばれていく所以が遊蕩に耽り、空間を苦しめ、自らをいじめぬくことでしか、確かな愛すら感じられないのである。正義などは墜落するために生まれたのかと、簡単に消費されるための生命は制限を生み出し、今から締め出された精神は、自らにセルを生み出し、そこに引きこもり、自らの世界を壊されないように、自らの世界を救うように、世界を破壊し尽くす。好きだった君も単に老いて、退屈なものになって、憎しみを増加させて、嫌な顔になったなって、鏡を叩き割り、互いを咎めるだけの愛がひしめき、今を苦しめるだけに至るものが、愛のように語られる。