昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

大嫌いな鐘の音

典雅にゆらぐ風景、和毛と夏との和解、初々しい雨にぬれる恋、単色にあおぐ不安、完結するジレンマが着たドレス、憎しみと胸骨、反復する独善的な証拠と、消極的な面影がうたう自由から逃れ、寝返りうって、しとねに委ねた堕落したフラクタルな身体との別れから、乾いた涙の跡を這う虫との出会いから、愛した記憶が失った呼吸から、誰かの死は、自分を失う以上に苦しいものであると、自分とは、人工的なものであり、行為をひるがえすこともできずに、白昼夢の中をさまよい、ダリの絵の中で加算される原理的なものをうごめきながら、改ざんされるだけの原理からアニミズムを加速させ、あがめるための神を捏造しては、批判的なケモノの群れでの安心感を求めるがあまりに、自らを醜いケモノに変化させるだけの答えを引き取るような、悲観的なアナクロニズムに至るだけの現況を変えることもできずに、何かを顧みるがあまりに、あいまいな示唆から侵食していく空疎なほころびを超巨大な誇大妄想に変え、加算される苦しみに沁み入る痛みは使命感に変わるはずもなく、ただ自らに課せた罪により、ニヒリズムを肥大化させ、堕ちていく。均整される星との距離、世界は正解を知るはずもないのに、誰かを扇動し、不安や幸せをあおりながら、あいまいにコントロールされるだけの打算的な人々が散々な今を解消するためだけの生贄を生み出し、自らの痛みを昇華するための犠牲を紹介するメディアに情報に、コマーシャルに隷属しながら、安心感を捏造する。