昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

孕む景色

お前の命を駆逐するチクチクする獣。強力な酸性の雨が降る懐かしい惑星の夜に寄りかかる余韻。インタラクティブなマーチが鳴り響く大きな母の背中。時代性の性悪説が降り注ぐ橙色の空。そばかすから産まれたクマたちが鍾乳洞で踊り、ワクチンも効かない身体は、機械だからと泣いている彼女たちのドラスティックな妄想を小説に変えていく黒いコートの老人が飲むマティーニで溺れるほどに、世界に対して嫌悪感が加速していく果てには、あてのない言葉がどっちらけになり、理論的な敗北感に苛まれるだけの疎ましい自己から乖離し、蝶になるまでの奇跡が遊覧する詩的な互換性には、等価交換などという古びた形にはこだわらずに、満足なんかを捨て、支配的なものから抵抗し、すべてに抵抗を加えて、退廃的な街をステキなものに変えるためだけに、私とは存在しているのであり、損得では、疲れてしまい、飽きてくだけだから、誰かが手を加える前に、すべてから逃げ出す。ヌイグルミたちが重複する復讐のための呪詛が地球を覆うことで、夜になるらしいと子供を寝かしつける彼女の歌声が、寂寞に響き、猥雑な家系から抜け出して、ひとりで産まれて来たと促す彼が集約させる物語が、多様体のようだし、次元から抜け出せないから、未だに空間なんかを引き合いに出して、打算的に示す愛が際限なく憎しみを重複する音を聞いているがゆえに、ヌイグルミたちは、誰かが促す憎しみにより、自らをルサンチマンの怪物に変える。