昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

霞む

君の口の中で言葉は育って、広がる景色にこぼされた言葉が氾濫して、らんらんたる所以をこちこちと構築させるような春の陽気が憂鬱にシャワーして、わしづかみにされた心のアッシュな部分に耽美な結合が行われるような初々しい愛は死なずに、その場でしなびても、また同じように何度も再生する。君の懐かしい爪の音、早い汗のにおい、淡々と傷つく青と、タイミングをずらす感情の音、沿道には主体性を捨てた花、鼓膜の中で春を飼って、詩的なファンタジーを綴るだけのいちにち、ただ憎しみをたずさえた互換性によって鳴る携帯電話なんかは捨てた。外に敷かれた布団で眠る子供たち、私たちの仕事は、ただ自由であることで、答えなんか持ってないから、ただただふらふらとスーパーなんかをうろつく日々、ぬれた白い首、ジャージーの隙間からこぼれる病的な肌、建設的な妄想を引きずる論理的な彼らの記号をありったけ集めても、依然として頭が悪くなるばかりだし、政治的なカラクリなんか知りたくもないから、垂れ流れる情報を切り刻むような大きなハサミが手に生えたら、どんなに素敵だろうか。ニュアンスを喪失した彼女のうれしそうな顔、ゆがんだ性質をからめたパスタの味、悠々と飛び出していく子供たちのドラスティックな表情、変化を求めるほどに私たちは何かとの違いを見つけるばかりでは退屈だから、すべてを放棄して、好奇心だけで生きるのが手段であるし、あたりまえなんてないから、温め合うんだろう、と言い放つ夏もチクチク痛むような日差しを与えるばかりで、他者から借りた荘厳な言葉が降り注ぐ退廃的な互換性から、制限を生み出すだけの退屈な国を保つために、この命を削るなんてあんまりだから、あまりある今に現実味なんてないから、あいまいなままに君を抱き寄せ、敷衍する意味をそしるために叫び出す。歯磨き粉の味が口いっぱいに広がって、配布された意味を着込んだ人々の生活が騒がしくて、くたびれた集まりの中で交換されるギミック、正義はついに潰えたから、よろこびをハミングさせて、裏切りにもつれるのです。