昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

饐えた肉

胸骨に響くほどの恋、枯れた葉が浮遊する空間に食い込む焦土、肉片すらも偏執して、誰かや何かに固執するほどに、法則的な苦しみが襲いかかる。生き恥晒しても尚、生きまくれ、生きてすべてをまくり上げて、笑い飛ばす。上下左右も関係なく、全方位に向けて、ガタガタにしてやれ、と入道雲が語る夏の昼が、ミシミシと鳴く。世界が昏倒しては、さまざまな景色を食べる河馬の群れ、その河馬の虫歯から生まれた春の憂い、ぬすまれた傷口に覆いかぶさる母の腕、飢えた季節をしのぐゆえに、この空間を駆逐するほどの豊かさが頭蓋をゆらし、遊蕩をくりかえしては、端的な衝動に煽られる結末、侵食された真相がかぶる王冠のチープさに笑いが止まらず、途端にひろがる形式的な美に迫る肉欲がバウンドし、世界自体をぺしゃんこにする。夏が死に夜が咲く、君たちはもう帰る場所もないから、ガイダンスに従っては、乖離してゆく意識をはだけさせては、観念を捻じ曲げてゆく。慈しみもなく、憎しみばかりが増えてゆく先々で懐疑的になるだけの人々がもだえる寂寞、苦悩をたずさえては、延々と引き伸ばされてゆく些細な誘導により、快楽的な破壊は絶えず、互いを駆逐しても尚、その怒りは遺伝し、さまざまな憎しみを刷り込むあたりから擦り寄る君の卑屈な論理が論証するさまざまな思惑が、偽装する真理が次々と犠牲を生み出す。名付けた君も居なくなって、名付けられた意味も分からなくなって、ただたまゆらに消えゆく淡彩、スクスクと育つ惰性な夢も制限なく、君の飛び立つ姿が名残惜しく、奇しくも屈託無く笑う君よ、その豊かな笑顔には、どんな価値すらもつけがたく、備わるものでは測れぬほど、だ。