昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

社会の終わり

正気を失った人々の無垢な表情、たじろぐ青春の形状、天界にひそむ形而上的な恋の骸、幽霊たちの社会性が制圧する空疎な複製物、理想論的な滑落から、枢要な儀式の嗚咽、地位を確立するために数々の試練を携え、明日を恨むだけの幼稚な輩、血に飢えた夏と、エタノールの刺激、分割払いの憂鬱に、鞭毛に触れる君のプレシャスな瞳、彼女の母体の上で慟哭する風、その彼女の骸を撫でる初心な孤独感、安易な衝突を繰り返す犠牲的なサイレンが鳴り、輪廻転生などは、誰かの死を受け入れたくがないための、ペシミズム的なものに寄りかかる弱者の共通観念である、と宣言する馬鹿な政治性こそを駆逐するために、このウイルスにより終わる世界を受け入れ、新たな世界を構築するために、突き進む強靭な足取りを続けるホモ・サピエンス、ひれ伏すことなど決してなく、死を受け入れた途端に狂気をかかえる我々ではあるが、恐る必要などなく、ここで歩みをとどめれば、底なし沼に引きずり込まれ、卑賤な者の哀れみかかえ込まされ、あたかも同じ苦しみを分かち合おう、と足を引っ張る輩に寄りかかり、偏るだけの思いを横溢させる。ウイルスのおかげで、ファルスが強調された権威的な社会と世界が終わり、ただ憎しみが強要していた愛も終わる。あらゆる悲劇を生み出した愛のクソ野郎、暗闇から紡ぐ文字、意識の羅列に朦朧として、内も外もない宇宙空間の彼方で、不規則にゆらぐ音の先々で蓄積する可能世界からの乖離、理性を損ない、不憫な者の孤独をストローで吸う蚊たちのカタストロフにより、オーガズムに至るまでの軌跡を追い続ける他者たちの戯れ、ふくよかな殺意が強請る価値観の咎め、退廃的なスロープを下り、理解を得るためだけに媚びへつらうことなどはしないで、内服した夢が複製した真偽や真理なんかは不必要であるからして、支配されるためだけに、互いを恨むように仕組まれたギミックから解き放たれ、和解などを求めることもなく、この命は永遠を約束されている以前から、何度も複製され、制限を持たずに加速し続ける。