昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

憎しみが迫る島

君たちは目が円やドルになってしまい、誰に習ったかは知らない価値観を押し付け、我が物顔で一般常識を振り回し、自分の都合が悪くなれば、それは個性だから、とうそぶく。私はと言えば、秋になればキラキラにかがやく銀杏の宝石を指輪がわりにして、君との嘘の結婚という契約にいそしみ、春になれば、桜の花びらを頭にちりばめ、ピンクになった道理を孕んで、蝕む冬を乗り越えた、と豊かに実る思想すら捨て去り、自由におどるのであるし、自分にすら従順ではないからこそ、自由などに囚われずに、ずっと気ままに夏の太陽を捕食して、ねたましいとか、なやましいとかを飛び越えて、眠り舐る。どこかでは、牧歌的な死が世界を間引きして、全体主義に陥ったハードコアな国家でなけなしの身体を貶し合いながら、相対するほどに、愛などは幻想になり、猜疑心は深まり、隣人恐怖に陥り、互いを傷つけ、破壊するためのデカダンスがバンダリズムを加速させ、快楽的に殴打される人々が巣食うネットワークの中では、正しさなどはそこなわれ、自分が正しいと思えば思うほど、歪んだ正しさが世界を覆い尽くす。やましいたましいを浄化するための感受性が受精し続ける物語が敷衍し、延々と愛を波及させる。あらゆる悲劇の根源は、粉っぽく甘酸っぱい面影から健気なフリしてやって来るものなのか、とここで消費的な私たちは、猥雑なものに支配され、些細なことでいさかいを生み、見境もなく、誰彼構わず傷つける。誰かに何かをされたからといって、その誰かにやり返しているようでは、なんの解決にも至らずに、快活なものすら見失って、ないがしろにした思いが散漫になって、見合わぬものや、似合わぬものに囲われ、なにかしあわせそうな演技を続けるこの命も、すぐさま安く仕入れられ、安くで取引され、簡単に消費されていく、という幻想から抜け出せないかぎりは、物事の本質は見抜けないのであり、このような仕組みの裏には、自らを正当化するために価値観を刷り込み、安易な闘争へと没入させるための、意味をひけらかし、簡単に消費させるために、今に制限を生み、思想を植え込まれ、悪趣味な理想により、利用されるだけに終える、というものにすらも利用されないために、より良いものを謳うものなどに引き込まれずに、うとましく絡まる意味にすがるよりも、つたない意思に拉致監禁される前に、喚起されるものに左右されないために、まどわされる前に今を書き換え更新し続ける。