昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

特別な雨

哲学的な月経、人々の震える傘、囀る雨と呼吸、死滅したコギトを弔うための朝、バカでかい銀河団はチョコレートクッキーで、星々がチョコレートで、星団はクッキーなんだ、と歌う子供たちの食べ物への固執、終末を紡ぐアンテナが街中を支配し、散漫な意識は儀式的なものに娶られ、囚われたら最後、皆は老人になるまで脊髄に寄生した虫たちに、栄養を吸い取られ、最後は愛した者すら恨む結末に遡及する物事に飲み込まれ、すれ違う自分との乖離に苦しみながら、理解にすら至らずに、いたわるほどに広がる痛みに包まれ、後悔が響き渡る脳内で再生される、ああすれば良かったというまぼろしに支配されては、散々な今を呪うばかりの君は、何かに責任転嫁しながら、まやかしの価値をひけらかし、あたかも正しい者のようなフリをして、自らの理不尽さを差別的に排除するために、誰かを責め立て、さえぎられる思いと邂逅し、病むということにすら、脅威を感じずに、闇に飲まれてしまうだけの自己の周辺で偏執していくだけの忌々しい現在に罪の意識などを植え付けては、あたかも自分こそが正しいなどと姑息にうそぶくあたりから、真実とは曖昧になり、今に塗り替えられ、ひるがえされるための真意などに翻弄され、有する価値が肥大化しては、惨憺たるものが手繰り寄せるものに引き込まれ、悲観的なものが促すものに破砕され、一切に孤立しても尚、自らをつらぬく美しさが、なんであるかすら知らずに、ただ白々しく無視するあいだに、愛された記憶は消去され、ただ憎悪するまでに歪んだ愛の形は、価値に思い上がるが故に、この愛してほしいと迫るだけの狭い産道を抜けられずに、襞や膜の中で肥大化する悪意に飲まれ、とまらない憎しみは加速し、次々に誰かを傷つけては、自分こそが正しいのだ、と思い込むことにより、正義は歪み、悪をも超越できずに、悪よりも悪らしくなってしまうような正義を崇めることでしか、自分を正当化できずに、出来合いのものを愛しているような演技を続けては、誰も愛せないが故に、愛されていることに気が付けない自分により飢餓していく。このような妨げから逃れるためにもがくあいだに愛は衰退するかのように見えてはいるが、実際は見ないようにしているのがほとんどで、そこで補填されていく情報のまやかしが加速すればするほどに、この現実や現在というものは、忙しそうにうごめき、気づいたころには、皆老人になっている。