昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

必要のないものばかり

自己を食い物にするアンテナ、天気が崩壊した後に生まれた開放感により、はじめて生きていることを実感した君の酩酊し、策略と悪意をデータ化させた消耗品たる欠如を埋めるための短絡的な恋の能動性、結婚するには、左手の薬指一本じゃ足らん、と右手の薬指まで切って持って帰った彼女の遺骸、消費的な漢字が踊る刹那、靴紐の結び目が硬い、と泣き叫んでいる少年の夏を噛み締めては、端的なアイロニーを煎じて飲む千利休が見たグノーシス主義により反り落とされた全体主義的な衆愚政治、偶感がグーグー腹を鳴かせている間には、愛していたはずの世界すら大嫌いになる。私たちは所詮は誰でもないから、自分という存在に耐えきれずに、すべてを憎しむことでしか、社会を受け入れることもできない。まとまらない思いが終わらない夏を捕食して、供儀の国では、定めもなく彷徨うたましいが、互いを騙し合いながら長らくの退屈を消費させるために、弛まぬ希望を撒き散らしている。いびつな森羅万象に住まう孤独な質感、あらゆる悲劇を打ち込んだ腫れぼったい目、汗だくの進路に共依存的なシンフォニーに、データ上の真実、くたびれた顔に、騒々しく謳われる事実の後先にからまるふくよかな晩、ふわふわとした幸福に乗るニーチェのドラスティックな頭からはみ出ていく思いが、やがて彼自身を蝕んで、鞭を打たれる馬に話しかけている自分を傍観する自分を傍観している自分を俯瞰からながめる自分が俯瞰からながめるという永遠に増殖し続ける自己により膨張した脳内では、誰かに傍受されているだとか、満たされない思いを組み合わせた文字が脳内に侵攻し、彼自体という朧げなものを破砕し、新たに誰でもない、誰にもなれない自分を誰かもわからないものが、変わらずに見つめ続ける。さらなる昇華のために怠惰な自己をカットアップし、貼り付けるバロウズの深い空洞、針穴からあふれる要因から走らせていく記憶に帰路はなく、ただ続くということに重ねる苦しみが、やがてよろこびへ、と至るためにかき回されるボールの中の卵の白身や黄身、幻想な現時点から加速していくだけの堕落した俯瞰から不満がこぼれる退嬰的な予感、虚偽だらけの広告のギザギザ、短絡的な聖域から現れる獣みたいな君のリソース、焦燥感に攪拌されることにより傷だらけの肌の上の瘡蓋が隆起して、リビドーを加速させるための容易な結合により、枷に変わるだけの妄りな消費により、空疎な自己が孕んだ結末から流出していく思念がジレンマをかかえ、安直な支配により、批判的な差別主義者に変貌した刹那から仮想する物事が物憂げになるだけのためらいから、独占された資本から映え出る猛々しいファルスのような権力、勘違いを含んだ容易なフラストレーションが加工する真理により迫るマージン、トラウマを磔にした海馬が復元する物事が混沌に干渉するほどに、犯罪的なものに強要されることごとくから解き放たれ、概念のトンネルをくぐり抜け、ぐーたらな世界を超越していく。