昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

逍遥

強い想いとはその場にとどまり、自らを動けなくする。無くしたものに擦り寄る価値が、利己的な肯定を続ける先々で排斥される理由が流用され、真実を根絶やしにしながら、願いを踏みにじり、先行されるものにより、命は圧壊する。先々で無駄死にした人々が迎…

報いなどいらぬ

むちむちのカラスが鳴き叫ぶ冬の死との近さと、忘我になびく血なまぐさい人の群れ。報いを謳う神々を引き連れる動機が喜悦を重ね、抱えた粒子が宇宙線と混ざり、退屈な午後を粉々にし、跡形もなくなるだけの堕落した君の幽遠に押し広げられる襤褸と化した過…

恐れぬ者

肉体を捨て、次元や時間を突き抜け、何かあるとか、無いとかと、横柄に突きつけられた制限などに隔てられずに至る先へと旅して、あらゆる制限を生み出すだけの善悪を飛び越える。同調よりも、似たようなものであるとか、ほとんど同じであるということからも…

喧騒の汚穢

冬も春も死んで、マルジェラの数字みたいに雲や鳥が空で踊り、世界の上澄みにたまる毒素のようなニコチンやアルコールや、期限切れの定期が寝そべる古びた地下鉄に幽閉されている君の不機嫌や様子や、豆腐みたいなカバンを背負い、全世界の苦難を抱えこんで…

そうすべては無駄である

いろんなところで自分とは点在し、自分というものは、存在すらせず、不確かに鏡に映る自分を、あたかも自分のように捉えているだけの存在から切り離され、際限なく自分というものは、世界自体でこまかく切り刻まれ、世界というものの中に幽閉される。生を肯…

流浪

我もろとも破壊し、流離う日々に別れを告げるよりも、生き生きとし、都市を手なずけ、さえずる君の甘美な香りが位置付けるものだけを、確かな意味として捉え、途絶えることなく愛する先々で燦然とかがやく君の髪色にほどけ、施しを与え、支え合うよりも高揚…

ドラマチックな最後なんてない

ことばの内側に潜む暗澹としたものを取り除く。すべては経過し、年老いて行くだけの物事の間で軽薄に積み立てられるものを眺め、崇めてはこびへつらうような間にシニカルにこじつけられるものを変換できずに、ただ散漫に経過して行く存在の不確かさに追い付…