昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

平衡する夜

ただ夜を見つめる、と情念あふれ、ふれあう世界は、確かな感覚も持たず、浅薄な身体を交合させ、あたかも融合したかのように兼ね合う今もまぼろしにすぎない。つなぎ合わせる夜も頼りなく、なあなあになるだけで、塗り替えられない過去に入り浸る街が憂鬱そうに沈んでいる。子供とお母さんと、犬の鳴き声が、秋空に木霊し、殺伐とした感情を癒していく。凍えた歴史がカタルシスを促す。尊重された価値などに平伏さずに、ただ屈服せずに反するからこそ、君は美しい。成長を遂げる夜は、著しい静寂を乗り越え、ただ涼しむ夕餉にリンクした感情を深夜に書き写す静謐な預言者たる君は、たぐり寄せる実態と離れる実体との距離感を掴めずに、うばわれる観点が夜に飲み込まれ、瓦解する今に位置も持たずに、意味すら失う限りに陰る命から簡単の処理できない苦悩に至るまでの距離から傷むまでの明日に陥る距離から、昏倒していく意識に生命や、語源を託し、いたぶる神々に反し、下々の者として機能するよりも、獰猛で一律な不安を手当に、当てもなくたゆたう先々に帰路すら捨て去り、明晰な判断から、記憶に消え去る印象と些細な冒涜を重ねては、恬淡で利己的な祝福を促す夜に同盟など要らぬ、と至らぬままの心情に投影される状態から、統合されるだけの記憶を蝕む夜の警邏を終えた純然たる無気力さから、逆撫でする利口な至悪にふるさとをうばわれる熱情した反政府的なキャラクターが転覆を促す夜から混沌が生まれ、ただ裁く者と裁かれる者が対峙し合うようなジレンマすら要らず、時代に止揚される枢要な事実すら根底から飢渇するだけの夜に兌換されるだけの貨幣から価値観は、加工される品位により倒錯し、あらゆるヒエラルヒーを消費できずに、人類的な経路などは、非化学的な大逆を謳うだけに、道理は理屈にひからびるだけに至る。暴力的な夜の質感が大嫌いだから、ただ砕けた呪文を唱えるメロウな夜に肥大する苦悩すら愛するのだ、と覚えたばかりのラブソングを歌うみだらな感情から早熟な理想は、ただ叢生するだけの新緑に変わるまでの厳寒さを超え、住まう先々を破壊するほどの能動的な行為から硬質な思いは曖昧なマインドを放ち、慢性的な病に変わる頃に敬われるだけの理想から狡猾な理屈ばかりが、支配の行き先を決める。隔てる段階から降り注ぐ輪廻転生の通った後がきらびやかに示す道筋から、履歴を消去するのが、この死たるイガイガなの、と促す彼女の悲恋から質感をたどる静謐な喪失感から、切迫していくリズムは帰巣本能を狂わせ、耽溺するだけの夜の経路を濁すだけの余波を集め、健全な愛に至るまでに距離や時間は無いのだ、と宣言する詩人の後を追う。「生い茂る意味も、夜にすれば些細な出来事にすぎず、満たない出来事が未来を形成するような苦しみを吐き出す彼方で孤独を謳う静謐な森で質感を失い、ただ感覚だけで歌うのが、詩たるものであるのだ。」夜の斑点がダルメシアンみたいだ、とアナクロニズムを抱える母親たちは、保守的思想の彼方で、理想を失い、ただ保つだけに増える苦しみに震えるだけで、得るものは、ただみずからを惨めにし、苦しめるだけにすぎないのだ、と打倒すべき意志は、旋回する虚空の中で破壊的なニヒリズムに至り、テロリズムを生み出すだけに肥大化する怒りだけが、強固な偏りを生み出し、ただ偏執するだけの思想を思想と呼ぶのだ、と打開すべき自己すら開けずに、ただ占領され、元々の反抗が消え去り、ただ占有され洗脳されるだけに権力に荷担するだけに至る争いなどに倒錯する現実的な証拠すら持たない夜が母体回帰し、ただ楽観視するだけに惨憺たる安易さに到達し、滞るだけに至る夜に足るものもあらず、ただ有らぬ物からの支配を受け入れ、ただ残虐な実存に長けるだけの夜を超える知性すら持たずに、ただ今に足るだけの物を正しい物として受け入れる限りに物は、もの自体の価値を失い、ただ毎日に描かれる理想に歪むだけの理想だけを理想と呼ぶ。夜に密接になるような恋情から貧寒さは消え去り、ただ創造的な背伸びをして、圧縮される猜疑心に倒錯しながら、最たる意味を乗り越えては、契約だけの愛をぬぐい、ただたたずむだけに見え隠れする意味を紡ぎ続ける。冷厳な冬がやってきて、私たちもろとも凍り付かせ、何事をが死滅する鈍磨な夜から、貪婪な意味に比するだけの価値がヒステリックな叫びをあげる頃には、高揚感すら失われた愛から響かぬ世界からの音が孤独な終末へと愚鈍に迫り、横着する愛から蓄積される憎しみに似たような横溢から、地殻変動していく限りにずれる音が嬲る青春に反響していく。半狂乱しているはにかみから、はばかる論理に中性子爆弾が落ち、すべてをリセットする。