昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

悠遠


 ポストハードコア的な音にゆらぎながら、姦通した時代を崇めるだけの、拝金主義的な亡霊や亡者どもがひしめく、ドメスティックな夜は、ドラマチックなものを否定し、自らを卑下することで、物事を見えにくくし、はりぼての自由を仰ぎ、時代に従属的になり、担う意味すら、買い与えられた時間に疎外された自我が自らを傍観し、薄気味悪く後ろかから嘲笑しているような感覚にひたるほどに、カタルシスには至らずに、悩ましい自分を愛するための憂鬱的な自己愛を敷衍させ、自らを恒久的に苦しめるようなマゾヒズムに至らせる。彼が願いをこめてくわえ込んだ銃口が瞬時に口内できらびやかな射精を終え、事務的に配された愛のような脳髄がスプラッシュされ、さいなむことも、そこで愚かな考えにひたり、宦官として、意味の無いことに占領されていくことを嬉嬉として受け入れるだけの受動的な機械としてエクソダスできずに、苦しむ事もなくなり、途端に肉体から離れる精神は、そこで軽薄なものを崇めずに、悪名高いものをかかげ、自らを強く見せる必要もなくなり、ここでもたげるものなどは、今に退廃的な呪詛を続け、勤勉であるほどに、利便性を求められるだけの人間として、ちぐはぐな勇気などを延々とたしなむだけに終える徒労から、空しさを配するだけの合間にいぶかる心情は位階制の辺りでちらつく因果的な陰りから、官僚的な支配などに指図されるだけの勤勉な身体を破壊し、アイロニカルな青に消え去った。記号化された余罪を確かめるようにメルヘンな偏頭痛をかかえた肥大妄想の果肉をたしなむ浪費家たちは、緩慢な作用を求めるほどに、自らとは懸け離れ、機械的な誓いから、位置的な苦しみを補填し、自らに介するものに階差を生み、段差を与え、何かをつまずかせることによろこびなどを得ているような猿どもが偶像崇拝を続け、つたない意識は、色彩すらも失い、鬱積するもの彼方でもがくほどにバビロンが用いる永遠性の尺度から、釈明を求められるほどに何かに依存し、無神経に示されるメロディーにちぐはぐな思いは夏の思い出の彼方や、乳歯に現れた黒い悪魔どもが配するニヒリスティックなメランコリーに支配され、自らの軽薄さを隠すために、何かを軽蔑し、自らの恥を隠すために、何かを拡散し、たくさん持っているかのように示す虚飾や虚栄から、顕示欲は加速し、自己愛にもとづくエゴとは、自らを保つためのエゴではなく、自らを表示させるためのみすぼらしい価値を、あたかも大切なもののように扱うほどに自らの醜さに気付かずに、何かを制することでしか、自らを示すこともできぬような詭弁を続けるほど残酷で空しいものはない。立体的な刹那に慟哭がまばゆく、そこできらめき、ひたすらに求めるだけの獣的な支配から放たれ、自らの純粋さに行き着く。言葉は、再現されることもなく遠ざかり、そこで測られるものなどが、そこかしこで優劣を決め込み、意識に混濁しては、支配的なものに覆われ、自らの意思を損なっていく。ないがしろにした青春の経路や、今に意味を見失い、蓄積される苦悩だけに能動していく意識は、形式的な苦しみを孕み、今に阻まれては、退廃的なものをかかげ、介する間に理解を生み出さずに、些細な出来事に諦観をむすび、無数の痛みをかかえては、対する間に利己的なものを重ね、乖離していく意識は、形式的な憎しみを軽薄に打ち立て、立場をもたげては、かいがいしく謳われるものにむさぼられ、逃避し続ける意識は、生態系をも狂わせる。数多に感受するものや、外界から迫る論理的な迷路をさまよい、停泊する意識は、冷酷なものに呼応し、自らの性質を狂わせては、気配に従属していく陰気なシステムや、芝居を続けるほどに、そこで補填されるものへと道理を導くためのエゴを加速させ、今に枷を嵌めるのだ、と惰性なシステムは、そこで捉えられるべき意味を諭すように、同じような動機に投棄させるものや、そこで悶絶し続けるほどに、衰亡し続ける意識は、つたないものを攪拌しては、半径にそぐうものや、そこで互換するものや、感性をねじらせ、よがる今に季節は滅び行くものを継承し、混沌としては、引き継ぐもので今をむしばんでは、報われるものや、そこで証拠も残さずに轟轟とうなるエロスや、延々と懸隔を生み出すほどに奪われる感性は、関係の中に沈み込む憂鬱が経過し、断続する悠遠にひろがる幽霊のような傍観者どもの目に耐えかねずに、システムに飲まれ、蓄積される苦悩が、凡庸なものを運び出し、配備されるものの重さに耐えかねずに、体系的なものに適応するほどに敵愾心を膨張させ、暴走する真理は、自らを正義として崇め、あいまいな今に提要されるものが証拠を消失していき、逸脱する生命は、自らの愚行を加工するための品位をためらわずに高尚へと持ち上げ、自らを正しいもののように崇める間にそぐうものだけを価値として定め、自らにダメージを与え、貸与するものや、そこで家畜化していく現状におちいるための価値観に仮象されるものが、あたかも確かなもののように神格化される間に価値とは、ただ崩れ去るために現れる過去の遺物である。