昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

春の麻疹


 春がけだるい風と、アンニュイな嘔気や、季節的に弾むようなりずむを運び、懐かしい眠気にいざなわれ、コケティッシュな匂いに殺められ、めだつことなく散り行く果てには、モラルすらなく、譲り受けるものもなく、延々に結ばれていく先は、帰路を持たずに、ただ続く限りを演じている。森羅万象で行方不明な君は、わずらわしさを昇華させ、ただよう苦しみを無視し、込み上げる痛みに耐えて、尊んでは、はびこる悪意に邪魔されずに、自らの純粋さと遊んでいる。まめやかな春を頬張り、世界が利益を謳い、さげすむ間に帰路すら失い、記録や記憶にゆがむ季節を通過し、恋により貫通した思いを引き取りながら、認識するもののほとんどが、負担するものの重みに耐えかねずに屈折している。時間とは解決には向かわず、屈折しながら、しなびた論理を形成し、契約されるだけの思いや、そこでさだめを歌う誰かの呼吸や、故郷すらも捨て、孤独に踊り明かす毒々しい夜に創造性あふれる物語がひらくような主観的な爆発を引き起こし、瞬く間に敷衍する宇宙の淵をすなどるような感覚で、詩的な連動性を加速させ、枷を外し、時間に逆らいながら、さかのぼる月日が今を恨み出すだけに至るような連続性から、断裂していく瞬間は、そこまでの距離を謳うことだけに専念し、遷延するものがひたすらに継続され、形容されるものに包括され、同化していくほどにためらう思いは、ラストシーンをすなどり、静謐にゆらぐ瞬間的に形成される風を集め、あつらえる時に疲憊しても尚、ここでの価値をも打ち砕くのは、確かな創造性だけであり、制度もふやけ、腐敗していくだけに至るような時代的な感応などを破棄し、そこで示威するものや、問答を続けるほどに答えとは遠ざかり、途端にふやけては、横溢していく思いが鎮座し、挫折しても尚、そこで繰り広げられていく詩情と永久はケンカせずに、ただむらがるのはなく、無駄もなく、補足されるだけのものに反し、関するほどにわずらわしくも、そこで屈託無く入り交じる主観と共に歩く姿が讒言を吐き出すような闇夜を光で包み、未熟ながらもみすぼらしいと謳われるものこそ、みすぼらしいものと決めつける価値を保つためだけの正当性を謳い、道理にみちびきもせずに、満ち引きを謳うだけの論理が構築され、硬直していく心身は、最たる意味を喪失し、居心地も悪そうに遭難し続けるつたない意識を接続していくだけの場面や、そこで転化していくものが本質すらも捨て去り、そこで保たれる存在などは、そこでの時間との契約を守るためだけに、存在を確かなもののように継続させることだけを消費することだけが、生きているかのように示される間に注がれる観念などが遅延を生み、奪い合うだけの時折に織り込まれるものにひざまずき、慢性的な痛みを瀰漫させ、漫然として受け取る価値を遡及するためだけに絶えず散漫にまき散らす思いが往往とし、淘汰されるだけのものを迎合し、現前に果てるだけの存在としての瞬間が春にまじわり、風景に磔にされ、堅持する思いが星との対話を終え、横溢していく瞬間とは、時間を閉じ込めるだけに至るようなものを数えることにより、そこでの価値を見出すかのように決め込まれた時間の中でルールを生み出し、今を拘束し、確かなものとは、ここで数えられるものだけだ、とうそぶくような価値をも超越することを目的に創造性とは個人的な枢要さや、崇拝するものを飛び越え、そこで遊ぶ模型みたいな街で日々を消化することだけを目的のように謳い、今にも継続していくものの奴隷として、引きずる価値に締め上げられ、使命感に苦しみながら、市民権などを謳い、堅持する意味の中での今と衝突を繰り返し、腐りきった感情が汚い気配を弔い、対比されるだけの機能を放棄し、隠遁していく私は、退廃的なものに身を隠すのではなく、平衡をめざさずに、ただ光に飛び込み、閉塞的な所以を倒錯させ、些細な出来事などは、消え去れば、そこに残るもののいっさいはなくなり、ないがしろにされた未来を包括するような確かな愛も併用されるほどに、普遍的なものへと圧縮され、自らの力により圧壊し、案じる余韻にあらわれる普通も不安を生み出す兵器にしかならず、成し遂げることだけが、ここでの惰性な規律に反し、渇望し続けるための欲望を切り裂き、不純な自己を放棄する。