昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

野性


 骸みたいに歩く人の群れ。報う価値を無くしてさまよう骸たちは、立場を逆算しながら、仰ぐ日々に情念を損ない散じていく意識や、景色を形式的なものに変え、現実性が汲み取る制度の異物感を押さえ込むために泥酔してごまかす市街戦から、感嘆をうながすだけの奴隷的な彼女たちが相互誤解を生み出すほどに補足されるものなどは、毒にしかならず、同じような痛みを分かち合うために、同じような苦しみを同じように体感すべきだ、とすべては、同調されることにより、自らを自らが同情し、その痛みを解消するために絶えず外からの影響を受けるのだ、と妥当な意味を汲み取るだけの俯瞰的な憎しみ疎外される彼らの劣等感や疎外感や孤立感などは、与えられた世界で価値とされるものの苦しみを受け取る限りに成立するだけのものであり、そこで物質的な価値を受け付けられたら最後、自らを価値の無い者として違う誰かを蔑むだけに浸り、悲観するほどに増していく快楽の奴隷と化す。あるいは、低劣な者に混じり、自らを低劣な者のように演じることで、みんなと同じなんだと安心するような暗示的な商法がひしめくプロパガンダを引き裂くような願望をうながすような欲動から、比率を生み出し、ちりばめられる理想などにいじめられ、換算されるだけの精神を保つための正式な意味に起動するための機械的な本尊を崇めるほどにネットワークの亡霊として、あらゆる悲劇の幽霊として、喜劇的なプロットを残虐に配置するだけの労働的な傀儡として、かいがいしく貪る間に折れた闇で敗残する悲劇的な子として、行動性を刺激するための快楽を呼び覚ます脳内の従僕として、健全な闇を支配するためにたむろする悪の王として、摂理を謳うだけのやましい神の吸血鬼として、そぐわぬ価値を求めるだけの惰性なものを追いかけるほどに増していく闇に飲まれ、自らを苦しめるために補完される闇を充填し、自らを暗闇で飼い慣らすだけにいたるような静謐で空疎な自分を厭い続けるほどに予感するものや、揺動されるだけの童心から、蔓延る悪意を充填する思春期のタナトスの奴隷として、構築される暗闇の空疎さになじむために、暗闇の媒体として、措置される愛を潤わすために絶えず偽物の愛で染め上げる基盤を狂わすためのウイルスとして、売り買いされるだけのやましい製造器として備わる間に打ち付けられる損得から、排斥される言葉に季節感を破壊させ、配備される愛の波状に苦しみながら、用いられる愛にいらだつ子供たちの虚空に与えるべき愛などは存在しないのだ、と諦めるべきであるし、あらゆる制限を生み出すための規律に反するほどに介在していく苦しみは増していき、自らの罪を枷に変えるような間に十全としたものなどは存在せず、幼稚に汲み取る意味から、組み込まれるだけの意味に体制は快楽という餌を与え続け、抑圧されたものを解消するための嘘をばらまく仕組みを知らずに、ただ正しいものを信じこむほどに簡単な悪に飽きてしまい、何かを悪に変えながら、ないがしろにされた精神は敬神にいたり、いたらぬ自分を存分に苦しめるための罰を自らに与え、絶えず苦しむための全容に溶け込む思いは、統括されずに、嬲られるために与えられる一部始終でからまり、絵空事の中を泳ぎ、永遠性に支配され、軽薄な愛を永遠でむすぶほどに、自らが生み出したに過ぎない苦しみを繰り返し、苦しむことだけに専念していく。簡易的な法則に監禁され、禁忌を用い、何かの支配を強固にする間に改善されるべきものも退廃し、互いを苦しめるために保たれる均衡を守るほどに、互いの苦しみは繰り上げられ、そこで苦しむことこそ、価値あるもののように語られるための金言などが、今を支配し、欺瞞を生み出し、勝ち取るために蹴落とすのだ、と尊い犠牲こそ、勝利への近道なのだ、と惰性にみちびかれる価値的なまやかしが示唆するものなどは、今を支配するために保たれるべき是非を根に持ち、是認されるもののために価値を偽装するような正義が打ち出す悪を滅ぼすための暴力性は価値あるものとして崇められ、その暴力は正しいものである、と思わせられる間に正しさなどは瞬時に退廃し、互いの間を保てずに、何かを破壊することでしか、均衡すらも保てずに、ただずっと引きずったものを卑近なものに変えるためのためらいをそこかしこに生み出し、汲み取る理由と、生み出される自由との乖離を生み出し、勝ち誇るために何かを蹴落とすような欺瞞から、偶感に潜む価値的な悲劇のプロットを書き換えるための価値が確かなもののように感じるほどに自らに過ちを課せるような世界性に制度を持ち出すほどに、誰もが正義の中で殺められるような危うさに恐怖し、密告し続ける他者との共存を呪うような過ちの街から、加速していく一過性の事実を枷に変えるための世界を世界として誤認する限りに陰る本質は、自らのやましさに絶えかねずに自壊するしか今を保てぬような結末に浸るようなペシミズムにいたるの、だ。