昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

権限を蹴り上げる


 恋の麗しい香りを堪能し、脳内で旋律をたくわえ、新たな音に昇華する瞬間に、死とは、乗り越えられるためにそなわる恐怖にしか過ぎない、と短絡的に同化していく私は、何かの影であるし、日常に備わるものを飛び越えるために与えられるものから離れ、退廃的な愛を乗り越え、課せられた罪を消費し続ける限りに苦しみとは減らないし、与えられるもので満足を埋めようとする、と独善的になるし、で疲れ果てた君を抱きしめるような瞬間的な愛が永続し、ここでの道理などは、用いられる権利により引き伸ばされ、確かなもののように語られるほどに、確かさとは足枷に変わる、と何度も語り合った夜に同化し、硬化していく意識は、対立を続けるための演技を辞め、尊くも貪るための幼稚な卑賤さをしりぞけ、私利私欲にもだえるだけの動機から放たれ、歓喜に揺らぐ街並みや、貧寒な連中が示唆する支配的な思想などはクソだからすぐさま捨てるべきであるし、政治性などは、政治的である限りに整理できずに退廃するものだし、苦悩を溜め込んでは革命へと移行するだけの堕落した言葉が逆撫でする街に帰巣するだけの堕落した鳥たちのいびつな正否や善悪に揺らぐだけの空疎な補完から、完全性を求めるほどに、十全さとはほど遠くなるし、ほとんどのなりあいはなれ合うだけで、ひたすらに自堕落なものにとがめられ、途端に消去されるための過去を利用し、領土を奪うための答えを謳い、画期的な罪を利用し、領土をひろげよう、と目論むための理想が移送しては、印象にとろけ、統合されるための正常さに磔にされた君が理想を謳うころには、ほとんどの理想とは、保持するための権力を持ち、もたらされた意味を破壊するためにもたらされたものとの対立を続け、軋轢はとどまらずに、途端に強制的に現れる力の奴隷として、何かに隷属するほどに臆する精神を卑下する正義の犠牲として孕んだ懶惰な物陰に潜む変えがきくものとして、かけがえのないものであるのにも関わらず、自らに価値がないように示すような間に示される価値とは、価値であるために対立を続け、そこで引き継がれるものを崇めるほどに、正しさとは、何かに利用されるための正しさを利用するというサイクルでロストしていく真実を求めるために持ち寄る正しさに隷従し、あたかも自らを正しく高めるようにたまゆらに注がれる情熱も、何かに示唆されるための正しさに注がれる情念として、念じられるほどにねじ曲げられるものだし、対比を繰り返し、怠惰なものを加工し、枯渇する精神は、正否の奴隷として、誠実を謳うだけの正しさを利用するだけの欺瞞の王として、不満足のプロットを書き換えながら、課せられる罪の代理人として、あらゆる意味の代理母として、構築されるものの忿怒を溜め込むための空しい身体の保管者として、偶然を謳いながら、保たれる意味の中で同一化を求めるだけの正しさを奉るための犠牲として、代用品として生きるためのためらいから、破壊的にいたるまでの距離に用いられる思想がねじ曲げる精神に同居する悪意を加工しながら、しなびた今に補完されるものを正しく見せようとするだけの独善的な手法により、よりよい価値などをむすぶ無数の悪意のあいまいさに昏倒していく意識の奴隷として、同じ意味を保つほどに、同じ今とは、おざなりになり、担う意味に不安が迫り、空間を汚すだけにいたり、その穢れを清めるための神事のカラクリを説き明かすために、自らの実体とは離れ、なあなあになる思いが、あなぐらに隠され、そこで神として崇められるまでのいびつな精神の異物感を浄化するための弔いなどを葬るために、私とは、神であることを辞めるのだ、と惰性にみちびかれる形から、機械的な論理に注がれる油や、安心安全の幻想に潜む空疎な悪意の本性とは、自己破壊的を求めるだけのペシミズムに映えるために自らを破壊する君の美しさに還元されるものといえば、そこで終わり続けることを求めるほどに補完されるものなどは、自らを破壊することに寄りかかり、自らをいじめることにより、増していく快楽の奴隷として、そこでたまるジレンマに集まる終末論者に隷属するだけの堕落した主観に死はなつかず、何かを懐かしむほどに増していく苦しみを保持する過去の奴隷として、短絡的な動機の亜種として、あいまいな等差を用いるこれらの苦しみの階級闘争を終えるべく、書かれたものなどは、欠いた者が示す身の丈に合わぬことばの奴隷として、現前で消費されるだけの悲しみに隷属するだけの者との相似を求めるほどに、自らとは損なわれるためだけに存在の確かさを足枷に変える。