昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

爆砕

どこにもぜったい帰らんと、てきとうに歩く。歩く音だけが、ぺちぺちと反響して、どこ歩いてるんかもわからんくなっても、ひたすらてきとうに歩くんです言うて、原風景を汚すんやから、えらいやつやな言うて、恬淡なまんまに、あらゆる飯を吐き散らして、天気も気にせんと、すべては、あらゆる意思を持ったはるって、アルカロイドで脳が萎縮した昆虫が、ロジカルになりはって、アニミズムを語るころには、夏も終わって、葉の色も寂しなって、空は暗い灰色によって、寒さをより強調するわけであって、人間性をわけへだてる制度から抜きん出るために、僕はすべてを無視するんであって、後は少しづつ老いて朽ちるよりも、いっせいに爆発して、いっさいにひかりを与えるんが目的やかさかいに、最たる意味をぶち抜くために、我は、我を超えて、へだてられた観念や、理想にひずむだけの理性をへし折っては、往々と降り続く粉雪や、言葉狩りのアイドルどもを崇拝する街角の奴隷が続ける降霊術や、シンパシーをも感じられんと、かんじんかなめなものを失い、喪失感に浸りながら、もぞもぞし、合わさらん思いは、すべてにさらわれ、触ることもしやんと、知ったかぶりしよるし、あるいはルサンチマンのかいぶつになって、物欲にひたるか、快楽的な朗唱を続けて、高尚さのいっさいを捕食するために、誰かの知識を乱用し、依存的に否定するような、自己の中のかいぶつを打ち倒せんと、誰彼かまわずに敵対していくような、幻想をかかえた敵愾心は、その場にあるもんを、真実として受け入れるが故に、いろんなもんが見えへんから、それが答えや言うて、誰かを否定することが、しあわせになるらしいから、僕は僕のことしか信じんのです。