昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

黒雲

こうもり傘をさした
デカダンスな男が無数に鎮座する
意識的な地下鉄に乗り、
陰惨な形を示すような
計算式を解き明かす
過干渉な数学者が放つ
ヒストリーを超えて、
分断される境域から、
倦怠感をかかえた夫婦や、
堅実さを謳うほどに
徒労感が増すような
憧憬にひしめく
馴れ合いを甘受するほどに
埋もれていく。