昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

浮遊する朝

ガラスに映る太陽、猫の言葉を話す鴉が羽化し、かびくさい部屋でリリカルにゆれる空疎なシャンデリア、洗濯機の轟音、ワセリンと群像とピアス、水色のドア、世界は閉鎖的な保育器みたいだと、ドレスアップされた学校が語るから、だるそうな花とキスをして、複製されるだけの未来を抱いて、あたかも確かな愛のような花嫁衣装を着て、機械的な生活をよだれまみれにして、艶美な塔が見え隠れする、茫洋な部屋の影から、まくし立てられる日々の建てつけが悪いから、適用する者や、また適用しない者の中でクラッシュした運命みたいだと、脳をはめ込んだだけのマシーンの身体が、アンニュイときしむから、むしばむ夜と、比喩の香りや、冷厳とした環境からも、感情とは生まれるものなのかと、戦争をなつかしむ、空虚な君の着物をぬがせて、永遠性に制服される前、そう、時間をも盗んだ日々の後から繁栄する季節の女々しい乱用や、君のまつげにとまる健気な羽虫をも殺めるような残酷さが、生きていることの証だと謳うような日々ですと、破壊的なマーチングバンドたちが、グリースにまみれ、ぬるぬるとした感情で廊下を這う音が、ぬちゃりぬちゃりとねぶるような音にも聞こえるなと、呼吸することすらも忘れ、鼻に打たれた注射や、刹那にたまる記憶の価数や、金科玉条が云々と原理的な呼吸がなびいては、冬とはまるで君の感触みたいだなと、だらくした思いがフラクタルであるかぎり、この身体とは誰かの物であり、重いのであるからして、あらゆる贖いは、争うための道具であることでの偶像たる自分の懸隔を埋めるための儚い旋律を、ひたすらに確かめるためのギミックであり、そのリズミカルな衝動にまじわる破壊的な汗や、斡旋される日々にまたたき、たちまちに現れる思い出はボイルされ、毛玉みいな船に乗り、憂鬱のミサイルがあったかくて、相対する君との邂逅や、いっしょに眠った日々や、いびつな別れや、異物感をかかえたひとりの身体が、勝手気ままに踊り出し、惰性な性差を超えて、転移する虚実や、競合すればするほどに、愛していた日々はバランスを崩し、くたびれた罪を認めては、自らが老いたことを、とがめてばかりだ。