昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

真っ赤なだけの夕陽

しもやけなった母の手や言うてる歌手が、テレビでいちびっている。外では、盗難車で走り回るガキや、元来そなわるもんのおかげで、正義が保たれてるやなんやいうて、生意気そうに語る学者や、楽しんだら勝ちや言うてる、青魚みたいなメイクしたギャルが怖いから、商店街ぬけんと、裏道で帰ろ思とるんですけど、いかんせん、言い訳がましいだけに、伸ばされる命いうんわ、虚しいもんでんないうて、陰鬱な衝動をかかえて、ロードバイクで走り回りながら、カタルシスへといたるようなリーマンたちの、かがやく汗が美しいと思う昨今、めでたいことは、自分から作るねんなって、なつかしむヒマもあらへんから、変化だけをもとめたら、主義なんか打ち倒せるんちゃうかなって、思想や宗教もいらへんのちゃうかなって、言い張る先に現れる現実いうんは、敵愾心をたらふく食うて、空疎な悲劇をアンニュイとかかえて、自らを肥えさせるだけなんかいって、何回言っても、得たもんによって、自らを怪物化させるだけやさかいに、散漫な自己なんて捨てて、いっそ世界に身をあずけなさいって、一貫した奴隷のサイクルからぬけられへん大衆によって、すべては操作されてるのであって、権力とは、大衆の手によってこねられて、ハンバーグになって、焼くん下手やから、黒焦げで不味いハンバーグを教育的に口につっこまれるんやから、難儀やなって思っても尚、同じものを、同じ時間に、同じ量を、毎日食べなさいと強要され、惨憺たるもんに変化するまで、延々と独裁的に私たちは、機械よりも、機械的にさせられまんねん言うてる君も、立派な思想の機械でんがなって、何万回も同じことが有史以来続いてるらしく、奇しくも似たようなもんを愛してるが故に、私たちは、同じような苦しみに苛まれまんねんなって、何億回も生まれては死んで、はじめまして言うて、ほな、さいなら言うて、災難でんな言うて、言い続けても尚、苦しみはないがしろにされて、生きることだけを強制され、生きてるが故に、強要される苦しみを蹴散らせんと、同じように生きるんが、当たり前のように語られてることこそ、おかしいんとちゃいまっか。