昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

感覚的な愛

正体を持たぬ存在。せいぜい、その半径だけで記される愛は、誰にも確かさを知らせずに、存在に枷を嵌めるためだけの、契約として、あるいは、独占するための、手錠を嵌め、何か、愛していることが、手品なようであると、愛を知らぬ二人は、空間的な割合が、愛でしか示されないから、自分を締め出し、互いを恨むように、愛することでしか、愛とは示せないものなのかと、過去すらも弊害になるのならば、今すらも愛せないことは、確かなことであるし、答えすらもないから、求める身体に反響する愛は絶えず、互いを死滅させることでしか、還元されない愛は、価値を用い、そこで公言され、公約と化し、契約上の氾濫する愛は、繁栄をめざすようで、めざましい進化にいたらずに、信用をうたい、奪いあうだけにいたる愛は、今にいりびたるほどに依存的なものになり、絶えずやってくる苦痛を繰り返し味わうことが、今を理屈的なものに変え、今を卑屈的なものに変え、いくつもの苦難は、空虚さを与え、あいまいなままに、マインドを頂戴し、超克できずに、求めるだけの愛の配下になり、なにかを攻撃することでしか、守ることもできずに、攻撃性だけが激化し、なにかを保つために求められる愛は、ただなにかを隷属させ、奴隷化させるためだけに、用いられる自由を利己的に操作するために、接続される愛を利用し、他者を介して、与えられる苦痛こそが、愛を形作るなどと騙るだけの、世界的な正解や、普遍性の不潔さこそを、打ち砕くために、ふたりの価値が存在するのにもかかわらず、この世界などに関わるほどに不自由になり、互いの間に生まれた自由すらも、瞬時に不自由になり、互いを邪魔に感じ、還元されるための愛とは互いを邪推し、いつ終わるかもしれぬ恐怖に巻き込まれては、互いを破壊することに専念する。