昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

愛しい子

彼の手はすごく冷たかった。道に座り込んだ妨げる孤独から逃れるための猶予が、予感をたずさえ、一向に来ない光をつむぐために、多面性の夜空がつげる星の思い出を伝える鈍色の音、鼓動はなにかの端末なのかなと、かなたに染み渡るあなたの鼓動とリンクして、この孤独を快癒するのは、短絡的な快楽ではなく、抱きしめられるぬくもりなのかと、にくしみ交じりに唾を吐いて、なにも語らぬ路上は、なにもかもの冷たさを内包し、包括される意味を攻略するために、この命とは引き伸ばされ、引き合いに出されるものが打診するものによって一度、刷新されるものであり、あらゆる苦痛を昇華させるために、愛とは無限であると信じ込んでいる君が籠絡する世界とは、フラクタルではないし、そこに内包するものとは、誰かと向き合うほどに孤独であっても尚、愛することを諦めないからこそ、命は大歓声につつまれ、生きてきた証などを求めず、そのような証などは、価値として扱われる、むなしい産物であり、物質としての役目を果たす義務などに苦しむだけで、誰かが関するほどに、その孤独は妬みをかかえ、ルサンチマンを生み出して、否定的な思いが、他者を攻撃するほどに自分をゆがませ、偏執していく思いは、幾ばくかの可能性をも失い、可能世界の中で、証拠を求めるほどに、むなしさだけがひろがるだけだし、堕落しても尚、立ち上がり戦うならば、君とは友であるし、あらがい続けるものの味方である私は、聖母でもなければ、制約されるだけの愛によって、抑圧され、永遠を語るほどに、その場で硬直する愛は、自らのむなしさを構築し、孤立を深めていく。さあ、孤独な勇者たちよ、佇む今に居場所などなくとも、私と君は、何事にも負けない。ただ、勝ち負けや善悪から逃れれば、すべては、同じ位置で、意味を求めるばかりで、正しいということもわからずじまいに、その役目を終えるだけであるのだし、出し抜くよりも早く、したがえるよりも愛しくつむぐ毎日は、何かを対象にして愛するよりも強く愛する大切さが価値になる前に、私たちは、なにと戦うべきなのかを知る。