昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

じゅくじゅくになった愛

折れた影、鍵を探して、誰かを睨む痕、世界は絶望すらも歌わずに、快楽的に走っている。僕はここに戻って来て、もうずっと離さないってギュっとして、もう離れないように扉を閉めて、もうずっと二人だよって言って、もう大丈夫って、母のような愛で抱きしめて、何に習ったわけでもないのに、君をずっと好きだったような気がして、終わりになって、飢餓して、麻痺して、ままならぬ思いを束ねて、君に似た人形を作って、愛しているフリをして、手入れもしないから、錆びついて、機械的な愛が気配を消し、その機械的な愛が、モラルなんかを語って、汚いから、僕は機械のようになんか生きたくないって、今がひとりで息苦しくたって、ここで立ってる思いは、枯渇しないで、しおれないで、たおやかな愛を生み出して、また居なくなって、痛くなって、言いたくなくなってもなお、伝えようとすることは、時代を超えてでも伝わるわけだし、この短い時間、つまりは生きているという未熟で繊細な時間では、言い尽くせないほど、日々は儚く美しくて、ただ日々はひたすらに美しくて、駆逐されないで、チクチク痛む、でも、僕は君を思っていた少しの時間に誤りはなくて、そこには弊害すらなくて、愛し合ったかのように思えたぶんだけ、愛はその場で形になって、価値なんか蹴散らして、ただふたりでふざけた時間が徒らに過ぎて、そばに居ても、いつも孤独だった傍には、存在めいたものが、光を放ち、確かなもののように思えた実感は、思い出なんかにしないで、傷ついてもなお、前に進む意思は硬く、痛みを跳ね返して、何度でも愛そうと進むのである。