昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

描き出す自由

間接的にまじわる運命を整合させ、倦怠感を消費させ、高らかに笑い続ける愛は、冷めたものにすら温もりを与え、諦観せずに、感じ続ける先に記憶を高まらせ、与え合う先に些細な動機は、確かな思いへと超越し、延々と咲き乱れ、誰かの大切な思いが、体制的なものに飲み込まれないように、個人とは枢要なものであり、大衆的なものへと扇動するだけのプロパガンダが刷り込む永遠性などに制限されずに、ずっとずれてもなお、互いが修正しては、さらなる愛へと至らせるためだけに保たれるものに、契約すらもいらず、ただ自由にまさぐる先に、印すらもいらず、ただ与え合うことに現実的なほころびを生むだけに関与するだけの理想はいらず、ただ互いをとがめるだけの堕落した主体を示すための、物質的な狂気が打ち出す境域に反して、ただ愛し合うふたりに壁はなく、ただあるのは、価値すらも示さぬ自然が調達する論理を超えたときめきだけが、今を確かなものに成立することだけに理とは存在し、ことごとくにそなわる荘厳な出会いと別れの彼方で、和解できなかった若いだけのふたりは、過去を思い返しては、さまざまな思いを手繰り寄せ、互いを愛したひらめきだけが駆逐した瞬間を仰ぎ見、みすぼらしい今を呪うだけの日々に乗っ取られずに、さらなる飛躍をめざすために、この命とは継続し、悲しみを破壊し、さらなるよろこびに移行するために、対価を持たずに、切実に探し続ける思いは、軽薄な時を飛び越え、満ち満ちとしてくる自らの愛によって自らを快癒させる。