昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

統率されぬ意思

何も描くものがない夜。君の鼓動だけが頼りで、刹那におとずれる閃きと対峙して、たゆたう面影にとろけ、熱病のような恋路の果てに弾け飛んだ思いなどは追わず、次々とやってくる今よりも前に進む勇敢さだけが、切実とした願いすらも超越し、血で描く優雅さだけが、今に差額などをもとめず、描くことに犠牲すらも感じず、また考えうながすことにより増していく強度が書いたものの厚みを生み出すのであり、今を踏み台にしているなどと考えることもなければ、形式的なものに邪魔されるわけでもなく、語られる正しさなどは、正しくあるはずもないから、当たり外れなんか考える暇もなく、還元される未来などは邪魔なものであるし、加速する物語は枷に変わるし、考えを枷にするわけにはいかぬから、いけ好かないからと嫌うよりも、堕ちるだけの日々がねたましいと攻め入る前に、優雅に逃げ出す。空疎な夜を破壊して、刹那にいどむのであり、こころの淀みを消し去るべく、賭するものだけに、すらすらと語るものが、利便性などをうたわぬように、君をいたわるのは、君だけであるし、もとめるものなどはやさしくもなければ、今に空虚なものに変わり、普遍性による不潔な世界が君を飲み込み不自由にするわけではなく、君が不自由と思い、自由に囚われるかぎりは、自由により不自由になるのであり、もとめる自由には疑いが絶えず覆い被さり、今を不自由に変える枷に変わる。かさばる理由を高く積み上げ、偽物の罪に支配され、芝居を続け、一度きりと言われている命を粗末にするらしいが、そんなことは知ったこっちゃないから、気ままに逃げ惑い、たたずむようで、すべてからするすると逃げ出すのだ。