昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

箱の中の君

覚醒する昨夜、裂かれた身体から現れる生きた意味などという短絡的な理由から放たれ、そこに残るもののほとんどは理由などを持たず、過ぎたら過ぎたで、そこで引き伸ばされるものもなければ、ただ前へと進む少し遅れた身体には別れを告げて、颯爽と駆け抜けて行く純粋さが必要なのであり、意識の奴隷として、どれかの意味につながれ、どこかの意味で屈折して、今に束縛され、欺瞞にあふれ、ふれあうほどに否定し合うような余韻からも、愛とは生まれるものなのかと、とたんに始まる恋に祝福を告げ、延命を願うよりも、瞬間に爆発して、爆砕するような運命を祈るよりも速く逃げるのが目的であるとドゥルーズカタルシスを求め、見透かす運命をカットアップしていくビート作家たる陽だまりでながめる遊興が、季節を悴ませるのだと怯んだケルアックがファイナライズしていくネットワークの牢獄、あるいは瞬間をとらえるための潤滑油として備わる私が不倶戴天の敵をかかえ、緩慢な作用をほろぼすためのコードたる君をかき消すために、ウィルスバスターなどをインストールした脳内とプラグインしていくネットワークという帝国の中で生じる理由から離反し、臨床的な神話の海岸線で見る夕日の綺麗さが冷酷さを物語るような、リリカルな逍遥が詩的に昇華されるために、この命は一回きりの生涯を迎えるのかと、加担する義務なんてものは、この命には不潔にしか感じないから、誰かの語るものなんて信じないで、自らが見つけるものだけが、正しさなんて語るはずもないから、正しさを示唆する間にすら反して、正しくあろとする者こそ歪んでいくものであるということを証明することも歪んでいくのであるからして、革命の後に書き換えられたものが、自らの権利を守るために、すぐさま歪んでいくのが、この世界と名付けた社会という欺瞞と憤懣に満ちた箱である。