昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

理性を捨てた愛だから

ドラスティックな過去と一貫性を喪失したドラマの谷間、怠慢な季節を堪能するロジカルな詩と、レジスタンスの血と、類似品の若者の蒸れた香り、被害者意識を吸い取る蚊や、火傷した心を手当てする最後の医師である私は、垂涎するだけの汚物たる君がリロードする世界から敷衍する夕暮れや、病んでいく君の枢要な髪が濡れて、手配書を破って、法の外に走り去り、方法論を捨て、端的な爽やかさに揺らぎ、サイダー色した空が騒いで、結膜炎の目から流れる滝のような涙と、ニヒリズムが乾いて、この身体を硬質にさせるのと泣き叫ぶ君をなぐさめるために私は産まれたのかもしれないし、君を救うために、あるいは、君を騙すため、傷つけるために、ためらわずに突き刺すかもしれないし、そこで与えられる影響に矯正されるための正常さこそが異常であることに気づかぬかぎりは、傷つくばかりであるし、システマチックに裂かれていく心身は離脱症状に苦しむばかりであるし、依存的な論理は代償を求めて、君を刺すばかりであり、場面は転換し、罵声を浴びせかけられるだけの惰性な関連性に連動していく苦悩から逸脱できぬかぎりは、血が流れるばかりであるし、なびく風も慟哭しているように感じ、太り続ける身体がフラクタルでなくなり、内面性に制限を加え、蝉蛻できずに、垂れ流される汚穢を引き取るだけの堕落していく思いが掃き溜めでもがきながら、実事にたまる憎しみにたむろする人々が悲観するほどに被害者意識は増し、隣人に対して恐怖を抱き、加速する猜疑心は枷に変わり、世界性の中で与えられる苦しみの奴隷になる。