昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

希望の子

一瞬で恋に落ちるのは可能か?とAIたちが聞く。あらゆる論理に巻き込む言葉の端々に詰まる答えが機械的になって、名付けられた意味により奏でられる情報が突き刺さり、傷だらけの君は、奇跡を待つよりも速く、未来に向かって走り抜ける擦りむいた肌の痛みすら、すぐさま忘れてしまう子供たちの騒がしい声に負けず劣らずの、大人の騒がしいだけの声、堕落する永遠なんかに制限されずに我々は、むしばむだけの日々に反して、生き生きとしては、さまたげるだけの意識によって、阻害されずに、ずっと続くこともすれ違いながらも、長らくなだらかに、たおやかにゆれる君の髪や、いざなう匂いが、鼻腔をくすぐり、鼓膜をゆるがす歌声は、神秘的なものよりも、現実的であるほうが、精神をよろこばせるのであり、君が写る水面をながめ、忘我に消え行く進路や、豊かさをうたうだけの外側の力から放たれ、内側に秘める優しさなどに触れ、淀まずに静謐で、事実とは、ながめるだけで精一杯であるし、経過を楽しむよりも、ずっと近付き、じっとしていても、実感とは敷衍して、この胸を嬲る瞬間で、屍になるしかないのかと、憂いを保つニヒリズムを超えて、肯定し続けることの強靭さに触れ、ひどく痛む日々に苦痛を凌ぐための、上辺だけの言葉を跳ね除け、愛することによって、対するものでもあるのかと、デリカシーもなく過信しては、ドラスティックにねぶる日々は、なまめかしくもあるが、うとましくもあるし、あらがうほどにこの感覚とは不自由なものでもあるし、愛することを尊く思うのは、愛するということから、遠ざかるようであるし、強い決心は、決別を生んで、孤独に嘆く時もあるだろうから、時間にさえぎられずに、この命は制限を持たずに、ひとつであろうなどと求めずに、用いられるものに委ねられる誠実さなどは、くたびれるだけであるから、採算なんか不必要であるはずなのに、機能的な愛は、利便性を求め、体制的なものが持ち寄るものにもたれかかり、大切なものをすぐさま忘れてしまうし、無責任であるのが、私の体質であるし、戸惑うことも、見まごうこともなく、泣く泣く無くしたものなどは、無くしただけのことであるし、答えなんかを追いかけても、あっという間に老いるし、有ったはずのものは、跡形もなくなり、内外で破裂するジレンマに覆われて、悲しむ君を見て見ぬふりをするだろうし、惚れた腫れたと忙しく、晴れても、君の内面性は、快晴などを求めてなくとも、空は青々として、夕闇で落ち着かずに、夜が怖いのと、泣き出す始末だし、打算的なきみのアナクロニズムが、君の世界性を狭めては、苦しめているだけのことを繰り返しているだけに満たない日々が汚いからって、機械的になって、空っぽになるのは味気ないから、苦しんでも尚、このときめきは、延々と続く日々を紡ぐ意味を見つけるためだけの日々ではないから、ためらいながら、ゆっくりでも、豊かさなんかを求めなくても、悠々と啜る。