昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

垂涎

走り回る君の音、コトコト鳴る君の鼓動、魂も抜けた蝉の抜け殻と、夏の青、愛された記憶の数々、たしなむ思いは夢の数だけ存在し、せいぜい生まれる範囲から、愛は加速し、心の枷を外し、ただよう意識は風に乗り、名前も捨てて、あるがままに世界を泳ぎ、カテゴライズされず、分岐する道をどんどんと進み、みちびかれるものに反し、自由を定めぬ限りは、善悪なんてものには囲われず、加工された真理などは、今を実証するための嘘に過ぎず、短絡的な同化は、勘違いを生みながら、そこかしこを踏み荒らし、自分の道みたいにふんぞり返るような連中が、ぶんどる世界などは、世界として秩序を保つために、意地になっているようなもので、そこで保たれるものなどは、保たれるべきだと矯正するために、力を使うから、誰もが疲れ果て、不安に酔いしれているだけだし、堕落したり、打算的になって、気配を隠し、君の寝込みを襲うような、卑怯なやり口や、口うるさくつきまとうような、勘違いを生み続けるためだけに、強要されるものなどから放たれて、自分の生き方なんかを売りさばくような馬鹿には従わずに、ただ優しく揺れる今が、威張りちらすならば、そんなものは放っておいて、自らが定めるものが、位置や距離などを測る前に、すぐさまそこから飛び立つべきなのであり、リアリティーなんかなくたって、無くなってしまうのが定めだとか、ニヒリストはそのような考えに還元される虚しさにより、諦めたり僻んだりしているだけだから、身体なんか捨てて、能動的にニヒリズムを食ってしまって、さらば、愛する君よと、口付けした甘い夜から敷衍する物語が、延々とステキなハーモニーを繰り出す日々に、幸すら求める必要なんてないのだから。