昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

燐光

永遠は瞬間に織り込まれ、次々に網目を増やし、今ここの強度を増していく。離れぬ時間は、かけがえのないものを敷衍させ、今に博打を続け、賭けが加速するほどに倍率を増し、賭けられた魂は痛みを増幅させ、苦しむことにより増していく罪の意識を儀式化させ、つたない意味に躓いていく。這いずる行き先は歪な試練を加えて、美しい涙を宝石に変える君との別れた距離を踏み台にし、意識的な革命を結ぶために、創造的な昇華を続ける。記憶には宇宙が生まれてからの距離が、産まれた代わりに嵌り込んでいく現実に食い込んでいく陰鬱な焦土を生み出す。神話にゆらぐ神の憂鬱。迎合される動機にはびこる追従するだけの未熟な膿を出す。闇から運び出される夢。蓄積される可能性は動機を探して、今をさまよい、印象に統合される。悠遠に肥大化していく時間との距離を埋めるための戦争が続く深淵。未熟な私たちが見出した可能性である神に縛られ、神は情報に変化し、今を扇動し、誰かと同化することでしか意味すらも見出せない君たちのドラスティックな希望などがミシミシと鳴る深夜。継続される敗北感が死を追従しては、追加される未来を攪拌しながら、帰路を探しては、あてもなく旅を続ける貪婪な遊牧民として、瞬間を駆逐し、季節感を圧壊させては、妨げを生み出し、正義を盾にして、犠牲を生み出すような快楽の奴隷として、あるいは淡白に食い尽くす餓鬼でしかないような、しがらみに絡まりつく人々の蒸れた香りが充満して、世界と名付けられたものを愛したフリをして、あまりにも妄りに食べられた様を傍観する乖離した自己を傍観するような、恒久的な地獄を生み出していく。あらゆる悲劇は揺かごから生まれるのだと、解き明かす君のペシミズムには興味もないし、世界がどうなろうが、世界と名付けられた途端に、世界は世界自体に閉じ込められるだけであり、そこでの破滅などは、瞬間的なものであり、主観にまでは入り込む余地もないのかと、物語を無視して、燦然と輝く今をつむぎ、ギミックなんか放棄して、あらゆる意味とは、そこかしこで終わり、そこで継続され、永遠と定められたものに引き伸ばされていき、そこから逸脱し続けることだけが、今を実感させる。