昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

理不尽な証拠

血だらけの老夫婦。惰性的に隷従する犬。たんぽぽを食べる規則的な屈折を繰り返す鳥かごの中の彼女。偶像を積み上げ、つたない罪により屠られる君たちの空腹を癒すようなときめきを補完する遊び場。意味がない言葉を遺伝的に駆逐するニヒリストどもの群れ。無数の悪意が、アクメにひたり、快楽的な鈍麻さにより、ふかまる欲は、絶えず自らを器に変え、苦しみを吐き出すスピーカーに変えられていく人々の朴訥な呪いの汗が滴り、耽溺し続ける貪婪な胃の中で裁きを受けるような、マゾヒズムの彼女の忘我にひそむ夕暮れの赤いことを語ることに禁忌を与え、あらゆる制限は、原型をとどめずに、メタファーを改造し、あらゆる罪を孕む妻の身体が、無数の思念に犯されていく。俺には何もなくても、俺がある限り、最高だし、何かを与えられて、しあわせなように感じさせられるようなしあわせなどは、しあわせと思わせられているだけであり、誰かが示す値により、狂わせられた価値を崇めているようでは、しあわせなんか、しあわせであるように思うような奴らが示す価値なんて崇めたりしないし、紙を神のように感じたりするはずもなく、ただ叙情的に生き、情報を噛みちぎるような凶暴さを称えて生きていきたい。最後の恋も死んで、血合いされた空虚な身体にニセモノの思いが、宇宙自体に亀裂を与えて、なにもないところからはじまったものと、また交わる先に存在は赤らみ、空腹をかかえた空白が、時間とかを生み出して、暇をつぶすための快楽の傀儡として生きることが、正義だとかうそぶく輩を無視し、星が輝かなくなった後にはまた、どこからか愛が生まれるんだろう。