昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

歓喜の渦

真新しいものを欲しがるミリタリズムが徘徊する襤褸な春。破壊的な論理をたずさえた女たちが、男を殲滅するための婚姻。データ化された愛の配下としての、ネットワーク難民たちが徘徊する原野。束縛されるための私たちは製品化され、ラカン的な精神分析に総和する距離。ファシストたちがうながすレイシズムにより、国家とは成り立っているらしく、なりたい自分になるためには、自己愛に浸り、自らの顕示欲に狂い、空白を埋めるために爆撃を続け、軽薄な論理をたずさえ、自己という監獄の中で、深層心理を焼き尽くし、誰かの言いなりになるのが正しいらしいと、虐げられていく世紀の彼方で、偽装された真理をドラスティックに捏ねて、惰性で結ばれていく動機に混沌としていくのがセオリーらしいと、自らに酔いしれるために、ためらわずに犠牲を生み出し、自らの正義を貫いて、誰彼構わず狩るように愛するのが、世界を愛するという役目であると、ニセモノの宿命論をかかげて、その愛でもって、すべてを駆逐するのが、自分らしい生き方らしい。快楽的な制度に磔にされた、神としての自己を誇らしげに崇めるだけの、打算的な君が守るものなどは、馬鹿らしいものばかりで形成された素因を、普遍性として崇める先では、犠牲が絶えず、対価を求めるための終わらぬ闘争の渦中で、ほくそ笑む弱者の群れから飛び立ち、蕭然と尽きる命。経過していく冬の残骸と、虚空をむしばむ安寧。ねんごろな君とのカタストロフと、片隅で待ち受ける実体との統合や、行き過ぎた思い出が涅槃に変わり、悔悟を溜め込んだ帰路を破壊し、ニヒリズムを駆逐し、チクチク痛む胸を優しく包むような影。