昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

惰性な指

詩的な祝福を受けて育つ花、記憶をむしばむ街路樹の毒素、シリアスな社会に潜む性的な罠、懐かしむだけの君が謳う代償なんか糞食らえ。だいぶと狂っているから、変わらずにこのまま行くさと、諭すこともしないで、ケタケタと笑う先にトラップミュージックが流れて、意識の山を下山する。たぶん快適なのは、宿命を捨てたからであって、君と出会ったことなんかに必然性はなくて、ただ儚く散った一部始終に、残したい場面なんか存在しなかったからこそ、生きているということは、どの瞬間も美しい。君の死は、君から少しずつずれては、身体を破棄し、浮かんだ理想や思想なんかを隈なく駆逐し、何も残らないかのように示すことなど不可能であり、残った思念は無限性や永遠性を孕んで、今を確かに構築し、残らぬものもないし、そこで失われるものなど一切なく、どのような生き方であろうが、どれだけ君が孤独に苛まれ、何かを憎んでいようが御構い無しに、そこでずっと生き続けるのであり、際限なく現れる時折に入り混じる論理を超越し、何かに満たされようなど思わずに、乾いたままに突き進むのだ。