昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

歌う

のびのびと体たらくで不貞を繰り返し、能動的に放つ恋している時の詩が不埒な瞬間にべっとりと張り付く。鬱鬱とした君の世界が雨でぬれる。孤独な褥は孤島のようだね、と笑う君の顔が美しいと感じられる間は、未だ生きているような感覚に近付き、俗悪な賢者が踊る夜、結末に寄りかかり、頭のチューニングの合わない君、ぬれたスニーカーや、季節を弾く鉄の音、フクロウが鳴く声に処理が間に合わないから、と過ぎ去るだけの裕福さを睨みつける世間的な目、そのような目が妬み嫉む帰路。間延びする空間では衣服すら破棄して、大抵の異物感に反して、意識から雲隠れして、白々しく纏う自らからも放たれ、そこで保たれている君などにもたれかかる偶然などが、風のように感じられ、君を押したり、そこで身動きも取られぬような暴風などに変わったり、関わるほどにいじらしく君を責め立てる普遍性などに、制度なんかを決められ、そこで従順であるべきだ、と嘯く教育が意識に補完させる正しさの副作用に苦しむ幼稚な大人として、システマチックに屈する間から氾濫する儀式的なもののモジュールとして、あらゆる偏見を駆逐し、変幻自在に飛ぶ身として、この翼を豊かな扱いたゆたい続ける先には、身を任せるというよりも、そこから放任して、自由という観念すら持たないで、論理的なものを脱ぎ捨てて、恬淡なままに打ち出す数学的に応用される不自然さから逸脱して、ミニマルな差異の彼方、儚さに捩れる君の記号化された恋のラディカルな模様、ラストシーンでは盛大なオーケストラとともに消え去る瞬時に、きらめく陽光のリフレインや、まばゆく散りばめられたメタファーの雨、截然とした関連性もチクチク痛く、この風景にからまる必然的なものに固執する君のかぐわしい釉薬、切り詰められた生活の清貧さに備わる刹那的な愛の豊かさ、君との纏わりから解き放たれた途端、狼たちに囲まれ、この命もいなないて、寒々とした呪詛がうなだれた空間でなびく現代的な空腹を癒すだけの、卑しい遊び場たる世界性を飛び越え、自らが生み出した世界で遊び尽くす。