昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

優しい値

曇天をくすぐる落伍者たち、時間とは持つ限りにより、待ってはくれず、今を支配するためだけに、時を進める。艱難辛苦が迫る夜、寄りかかる満月と君、記憶を殺戮した幼い我が子、秩序をフラスコにいれて、実験を続ける深夜、静閑な森で熱暴走するフクロウが食べ尽くした銀河の痕、思い出の固形物、荘厳な魂との和解、切れ端にたまる血のぬくもり、カタストロフがこぼす散漫な汚穢が記号化し、定めた意図から放たれる印象や、因子やらが飛び交い、やがて整然とした月日を飛び越え、敵意をむき出しにしている支配的な観念が迎合する罪の意識が、儀式的なものにより滑落し、没落した先に生み出された絶え間ない理により、憎しみはすり減り、平衡を保てずに痩せ細っていた意識が、いびつな真理をかかげては、得体の知れないものを対価として、それに見合うものが価値として、今に制限を与え、あいまいに支配されては、惨憺たる今に忌々しいものがすがり、真意などを謳いながら、なすりつけられ、今に手なずけられた苦しみを流布するだけの堕落した意識が、言い訳がましく迫り、口約束などを重ねては、たちまちに現れる気配に飲み込まれ、自らの苦しみをいくつもの観念が捻じ曲げ、今の苦しみは未来からの前借りだ的に乗り越える苦しみの端々からは、今の苦しみから逃避するための同意などになだめられ、あたかも今の苦しみとは、前から迫るもののように考えているが、後ろから迫るものであり、やがては苦しみに追いつかれ、苦しみ自体に飲み込まれてしまう。そのような苦しみが平均的なものを謳い、今に戸惑いを攪拌させ、普遍性などを謳い、保たれる均衡などは、今を保つものなどではなく、ただ今を誤魔化すためのものであるが、誤魔化し、逃げても良いではないか、と唯一の己を逃すのが、私の役目であるし、そこで果たすための義務などクソ喰らえであるし、当たり前を流布する普遍的な怪物こそ、ルサンチマンを加速させ、自らのニヒリズムを他者にかぶせ、横柄に従えた罪を手なずけられずに、誰かに罪をなすりつけては、自らを際限なく騙すような間に補正されたものなどが、ファシズムを加速させ、誰彼構わずに、意思に枷を嵌め、次々と犠牲を生み出すために煽動するような退屈な輩が、革命家のように崇められる先には、何も生まれず、ただ快楽的な破壊の傀儡どもを生み出すだけである。