昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

空白

浅ましいマシーンども、髪を結う蝿、欠落した楽しみの忘我、漠然とした意識の集落の陽だまり、あまりあるから無駄にされた命、あぜ道の領土、すぼんだ空の下、多目的な悪を牛耳り、惨憺たる希望を孕む月、君の真っ赤なドレス、真理を紡ぐイヤリング、ハートのタトゥー、綺麗な色、静謐な面影を伝う猫のイビキ、言い訳がましい哀愁、堅物たちは嘔吐を続け、綴る文字が全部デタラメであれば、どんなに私は楽なのか、と文学的な帰り道で乖離していく感情の一切が、すべてを拒否して、意味もなく殴られた過去や、誰かをいじめることで得た賃金なんかがグサグサと刺さる家の中で、すごく孤独で、でもどこかおどけていて、いびつな政治性なんかを持ち出す鬱鬱とした生命体が、バランスを喪失して、無重力で馴れ合う宇宙空間で、リズミカルな証拠を残す荘厳な倒錯、規律なんか守りたいなどと、生まれてこのかた思ったこともないし、無くしたものを探すだけの白痴な記憶喪失者を演じながら、パラドックスに苦しむだけのクソみたいな日々の中で、いちばん未来を形成したく、リリカルにリリックを描いてみせるし、詩とは絵のようなものだ、とシュルレアリストたちが語り合う地下のカフェで、ミリタリズムを謳う胎動の香り、弾ける意思が火花を散らすラストシーンになびく外国語が踊るアルコール依存症者の家庭に住まう悪魔が生み出す頭痛、詮索するだけのパラノイアの家系、原理的なものをすなどるロジカルな胃、なにも満足になる必要はないのに、満足ばかりを追い求める猿たる私たちの黒い胃、悪趣味な思想をかかげては、手懐けられる意思とは、どれほど馬鹿げたものなのか、と歌うウサギたちの耳の柔らかさ、感受性は菩薩のようになり、パサついた髪は前衛的な過去に浄化されて、意識的に剪定される花により、あらゆる色に染められていく原理的なアティチュードが、ブラックユーモアを蓄えて、退廃的な欠落が生み出す物語に寄りかかる君の早熟な帰路、あらゆる傲岸不遜な結末に寄り添う暗い影に集う厭世観を駆逐するために、この命は轟々と唸る。