昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

進路

時折に刻まれる余韻、裸婦像のとなりで、カフカの変身を読みふけるオカッパの子、シリアルコードを刻まれた肌を露出し、あらゆるところにピアスをつけて、拡張された耳たぶが垂れ下がる隙間から眺める風景は、あたかも普遍性を保っている中で溜め込む心の中の狂気の領域を静かに嬲りながら、コトコトと煮込まれたトマトスープを飲むダークなコートを着たニヒリストたちや、うろつく人々の額で開く第三の目や、第三成長期の中で蓄える思想がドラスティックなものをかかげ、加算される原理がリリカルさを保てないから、この世界に平和は訪れずに、私もイライラしたままで舌舐めずりしながら、舌切り雀を読み聞かす母親たちの声が鎮静剤のようだ、とヨダレを垂らしながら、肉欲を加速させるパラノイアや、火傷した肌を撫でる戦火の下では、なにかを愛するということすら不潔に感じさせられるような洗脳を繰り返す軍隊的な教育から放牧され、政治的な観念から離れ、私は、私であることだけを求め、誰かの考えなんか不必要であるし、あらゆる権限に寄りかかる答えなんてものは、その場で破棄する。とめどなく続くだけの、この時間のある状態で秘密工作を続け、社会主義的な密告社会へと成り下がった日の本の国は、村社会が生み出した排外主義的な理想により、犠牲となる人々の悲痛な叫び声が、この空間を嬲る。偽装されていく真実を駆逐するための大声を上げることだけに専念すべきなのに、自らよりも弱者に敵意を向け、自らの苦しみを浄化させるための儀式的なものを破壊する。ことごとくに浸透する健気な思いをなけなしの金で買い取り、かいがいしく貪る今日が強迫的に迫り、せしめた価値が謳うものや、果たす義務などが生み出す幼稚なギミックなどに蝕まれずに、ただ思うままに愛する世界と結ばれたい。