昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

のどかな喉奥

パトワ語で会話する少女たち、偏頭痛にゆらぐ頭の中では、超新星爆発を起こすニューロンや、茶トラの肉球をつまみながら、日が暮れる日々には、しあわせなんかを考える暇もなければ、なにかを考えようとする用途こそが、尊さを引き裂くのだ、と惰性なスカートから見え隠れするスカベラの群れ、純真な子を演じるあの子の悲しみの向こう側で起こるジェノサイドや、時間論的なものから解き放たれたカントとの対話を終え、胎盤から溢れる心音なんかが、この世界を美しいものに変えるまでの軌跡のまだら模様、脱色した花との恒常的な和解、高尚な香水の匂い、血の跡が輝く十字路、朗唱される真理が根絶やしにする瞬間に横溢する言葉、投函する動機が、延々と健気さを演じるあたりから、死滅した動機の復活祭を謳う彼らが持ち上げる神、その神が破壊した世界、淡い面影が青々とし、その面影の中で果敢に情事を続け、あいまいなふたりの中で結ばれていく物語の中で朴訥に愛し合って日々は修練を重ね、死を乗り越え、意識を書き換え、たび重なる情報が常用するものから解き放たれ、耽溺しているだけのあいまいな影の質感をたずさえ、単一化された空間を帝王切開して、摘出された最後の子供の産声が敷衍する大空からあふれる光のすごさを伝える詩的な文字が提唱される真理が引き裂くものを、もう一度ぬい合わせて、ふたたび結ばれる間には、確かな愛が敷衍して、複雑に混ざり合う年月、絡まる君との深まる褥、譲り合う過去の荘厳、轟々と唸る飛行機の音が反響して、痺れる舌先からあふれる空間的な簡素さを肥大化させる。