昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

統合されないために

世界という小屋の中での公序良俗なんてものが不貞を生み出すのだ、と偏見ばかりの自由が謳う新制度すらも受け入れ、自らの中で昇華し続ける先には、本質的な正しさも生まれる。やわらかい母たちの正午、ピカピカに光るだけの太陽の温度を測る子供たち、絶え間ない衝動を攪拌させるテレビの中、君は世界の一部なだけであって、君が世界のすべてではないことに気付いた途端に、愛は破滅に追いやられる。くたびれた皮、年老いてやわらかくなった肌、くだけた婚約指輪と、終わらない春のゆるやかな螺旋、でかい野菜を食べる彼女たちの口元、ほとんどの差はなく、約束なんてすぐさま破って、セオリー通りのものなんて、モラル云々で保たれるものの奴隷であるがために、真実を真理のように崇めているだけの打算的な手法の虜なだけであるし、なんら革命的なものもなく、端的なギミックが及ぼす欺瞞により、ニセモノの憎しみを仰々しく持ち上げるだけの崇拝や信心により、君たちは薄っぺらな価値の奴隷ではあるが、何かに隷属することで与えられる安心感という宇宙的な母胎の中で奏でられる真理のようなものが、君を神のようにもさせるし、神が君を支配するための芝居を続けたりもするし、すがるほどにするすると逃げまくるタコみたいな未来が、短絡的な商法により、騙されたり騙したりするあいだに、降霊術を続ける私の背中からはケミカルな羽根が生えて、もたげるものに躓き、つたない一生を従え、支配的なものがもたらす暗い夢がもたらす産気や、機械的な気配が背景を澱ませ、慢心が生み出す閉鎖的な未来により排外主義が加速し、自分こそは大丈夫という幻想に取り憑かれた人々が抉り出す心臓を台座に置いて、その偉大なる犠牲の下に我々は生きている的な幻想に支配されずに、ただ生かされているから生きているのでもなく、生きたいから生きているのであり、生かされているという幻想から解離し、思わされているものに煩わされることなく、用いる理念が世界に敷衍して、変化を恐れずに、変革に至るあいだに曖昧なものは死滅せずに、曖昧さを許し愛することだけが革命以上の結果を生み、適当であるからこそ、生き易く容易くやさしさを孕んで、懶惰なままに歩く。