昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

光景

鳥獣戯画の中で踊る君の枷の付いた影、枯渇して行く結末の中での理想的な死と知己、詐取される論理と、真ん中すらない善悪の中で対立する者たちの戦争、宇宙に根を張る強靭な人々、カテゴライズされた意識をドライブする盲人、擦り寄る肉片たちと歩くダンジョン、たちまちはマッチ売りの少女たちのようなインスタグラムの中で消費される承認欲求により支配された世界で、警察のように生きるしかないのか、と泣く簡易的なプロセスの中で流動する野盗のような連中が支配するTwitterという銀河、君はひとつの恒星として生きているわけだし、分け隔てなく生きる間に住まいすら不必要になり、世界自体をすっぽりと包み込む母として生きる。地獄の伴侶が引きずる腐った木、エクトプラズムを吐く愛しい恋人、接合されるムクゲの花、ブヨに刺されて腫れている腕、手紙に差し込まれたスタンダードな過去、和むほどに憎む人々の体臭により間引きされる深夜、安定しない精神がまどろみ、指先から放たれる小さなガンマ線バーストにより全ては崩壊するのだ、と語るフクロウの親子、カタルシスを詰め込んだピーマンの肉詰めが最後の晩餐だ、と妥当なものを排斥する動機が夜明けを待たずに、この世界との別れを終えて、余罪を追求するだけの連中が支配する世界と心中なんかしたくもないし、自らの死が覆い被さる前に走り去り、捕まえられないように前のめりで絶えず氾濫する言葉から逃れて、ノスタルジーを嬲り、視神経が腐る前に、ベネチアでの優美な景色を堪能して、面影がハイエナに食い殺される前に、意識を拡散し、最速でこの世の秘密を解き明かして、明けない夜はないから、何十にも層となる次元と、低劣な空間を走る列車が撒き散らすノイズが、時代性の性悪説にアクセスする宗教的な余韻が、印象に残るだけの恋愛から解き放たれて、はびこる悪意が寸胴な幼児体型から、いつのまにか大人になって、もっともな悪意ですべてを駆逐するだけに至るような意識を吐瀉し、儀式的な要因が謳歌する刹那に殴り倒され、ハッタリばかりでこの世界を恍惚とさせ、小さな満足が世界を救うことすら知らずにスヤスヤ眠る君の顔や、枷を外して、君が愛するもの全てが思想なんかを持つ前に、誰かの荷物を背負わさせられ、乱立する意識が薄情なものを伝い、インタラクティブな世界との乖離を深め、メタファーを謳う鳥が最悪の時を演じ、現時点がシリアスなものを迎合し、悲しみばかりに至るような世界とは離婚することにする。