昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

汚れるまにまに

誰も触れてないものすらすでに誰かの手垢まみれているし、私たちが触れたものすべては、すでに残らないもので溢れかえっているし、どれだけ逆らったとしても、そこではそんなに意味などなくて、だとしても流れに逆らい続けて、くだらないものにはくだらないと言って、生きていたとしても退屈ばかりだし、忙しかったら疲れるばかりだし、とまかり通るものすらほとんどなくて、そこで補填されるもののためにためらったり負担に感じたり、足りないからと補ってばかりいたら、おざなりになって、すべてはぬかるみに嵌り、はばかるばかりで募る思いは散漫になって、あたふたしたり、したり顔で見下したり、満たされたいからと未熟なままに進行してくる意識的なまやかしなんかに騙されたりして、簡単に消費させられるために強制的な衝動に駆られて、掻き乱されるこころが心許なく崩れ去る辺りから生じる焦燥感が、君の感情を失わせ、何も感じられなくなる辺りから、なあなあになって、似合わぬ思いを引きずりながら、悲観的な観点が展開する利己的な理由に寄りかかる夜は、君を卑屈にさせて、すべてを見えにくくさせるし、考えたくもない過去を今に呼び覚まして不安になり、暗澹としている夜は孤独なままに君を蝕み、今に食い込む現実の重みにより圧縮されては、散々な結末に結合される接点もない苦しみを跛行させてまで、進む姿が燦然と輝いているのではなくて、ただ当たり前に生きるだけで燦然と輝いているのであり、苦しむことを美化して忙しいことを利用して、今から逃げるのも違うくて、くたびれることが、あたかも満足を生むかのように示されるために生まれた値に騙されることもなく、用いられた答えに反して、はびこる悪意が刹那を食い尽くし、つたない動機をはびこらせ、散々な今を蝕む動機から超越するためだけに、生きて逃げ惑い、退屈を適当に歩み、アンニュイとして何もしないことをも愛でる先には解放よりも清々しいものに包まれ、自らが生み出した多幸感により、どこまでも軽やかに登り続ける。