昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

復古

滋味豊かな世界に憎しみの雨をふらす大気の囚人たち、勇敢な者ほど、内側には憎悪を溜め込んでいる、とカタルシスに至るためにシステマチックなものを拵えては、途絶える意識の狭間に石像なんかを作り、それをバンダリズムを謳う連中に破壊されるのを、ただ黙って見つめる先では、ささやかな痛みを抱え込んだ生理の重い日はニヒリズムのような月が子宮内でふくらむようだ、と語る彼女たちの横顔、ぬくもりある世界とは、大きな布団みたいだね、と話し込む子供たちが伝承する神話の物陰に隠れながら、たくさんの愛を育んで、悲劇的なクリエイトにより、肥大化した悲哀を打ち砕くために、詠唱される真実も嘘も成敗し、自らの内に住まう天使と和解する。幼稚な闇をかかえ、便宜的な君の秤にかけられたかけがえのないものや、課せられた罪や、量子的なものや、軽薄な理想や、理性もなく現れる終末や、ねじ曲がった思いが消費する動機が通り抜けては、手なずけられぬように、と化ける狐や、ケツァルコアトルが与える風や、また涙を重ねる鉄を食う恐竜や、流動する享楽や、嚮導する者に擦り寄り、ニセモノの神を崇めるためのためらいや、漂う意識が機械的なものをそぞろになる刹那が重たげな彼女の気配や、迫害されるだけの日々がいびつに重なり、関わりあうほどに煩わしくなるだけの関係性なんかから解き放たれて、たちまちに現れる愛は底なし沼のようである、とあらがうほどに吸い込まれていく穴という穴からあふれる意味なんかに占領される。剪定する詩という花、はびこるバビロンの快楽的な轟音、恒久的な吠え声が嬲る青春の角度、乱立する意識的なミメシス、システマチックな誓いにより拘束されるだけの私たちのホメオスタシスや、放浪者として使命感を孕み、屍体のように生きたい、とノンアルビールを飲みながら、ビルの狭間で修羅を重ね、妬ましい実像を破壊し、内面的な極寒の都市に住まう市民たちの悲しみが染み入る前に、逃げ去る。