昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

進撃

どこにも正しさなどは存在すらせず、思想なんてハナから生きてすらなく、自らの偏りにより圧死し、真実や真理なんてものは、クソの役にも立たない。ムカっ腹を抑えるために吐き続ける陰口、たちまちは苛立ちに消費され、証拠も残さずに消え去る。意識の最北端に住まい、起源などを蝕み歩く。侵食してくる宇宙の黒、くたびれた花束を抱えた老人の過去、度重ねる苦しみを繰り返し輪唱する彼女の感じ易さにたやすく消費される衝動が食欲や性欲に変わり、正気を損ない見続ける画面の先には現実のようなものが底無しに引き取る欲の住処に、過信し続ける先には妄りにむさぼる無意味さに饑餓するだけなのに、彼らは彼らのよろこびのためだけに働きを加えては、わずらわしい今を凡庸に消費することでしか、自らを飛び越えられずにいる。キャピタリズムに吸い込まれていくカラクリに、支配されないともがけばもがくほどに堕ちいていく穴、あらゆる偏見や差別を追い抜こうとすればするほどに飲み込まれていく意思の疾患、かかずらうほどに粘り気を増していき、関わるほどに煩わしさが際立つ。堕落した印象が溶け込む部屋、吐血した情熱が寝転ぶ布団、自らの死を忘れ去ることにより恐怖が消え去り、横たわる自分を見ることすらできないのだから、自らの死とは、考える必要がないと結論付けることにより超越できるのであり、この世から消えることなどは、答えを知ろうとすることこそが愚かな考えてあり、そのような答えが導くニヒリズムやペシミズムに騙されずに強靭に生きる、と語るほどの狂気さを抱え、浮世離れしていく。この世とは既に浮いており腐敗し、死滅しているのであり、ひかりが見せる色の楽園すら、屈折したものを折り畳み、闇に返せば、この世界には色などないものだ、と語るダークマターの孤独、空間を切り裂くための刃をたずさえた腕を振り回し、この世の軋轢を解いていくことにより生まれる自我、誰でもない何かになりたいらしい君が虐げられた歴史なんかを教科書で読んで、ひけらかされる物事に統合される前に形式的なものを捨て去り昇華する。