昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

激情の住処

背徳者たれ夢の恋人、欲があるから発展はしたが、欲があるから同じような過ちを繰り返し、君は幾重にもからまる欲に引き摺り込まれ、騙られるものに支配され、意識も保てぬままに闇に落ちていく。ふくよかな卑屈を何層にも重ねた雲、隙間から現れる曙光に照らされ、些細な夢を食い尽くす君の神が施しを与えるよりも速く突き進む強靭な足取り、縫合された運命が走り出し、短絡的な夢を超越して、超然として辺りを見渡し、些細な出来事と交わる先では、かさばるだけの思いから達観し、拘うだけに至る刹那にたじろぐ君の観念論的な札束が雨のように降り注ぎ、与えられた価値などに締め出された君の悔しそうな横顔、幼稚なギミックに妨げられ、歴史に手なずけられ、干渉するほどに加速する監視により、ここでの正しさなどに、すぐさまねじ伏せられ、とがめられる今に迫るあいまいな思想により、偏りを示す辺りから、書き換えられる運命は機会を失い、見失う自己との境目や、そこで再開し、新たな愛を育むための間にためらいなんかを生んでは、退屈な理想を掲げ、対価を求めるあいまいな価値に引き摺られて、悲観的になり、委ねられた観点から見出す不吉なものに拠り所を見つけ女々しい自分を恨んでばかりいる。退屈な償いが体系化され、罪に角張りを与え、罪を抱えることに高揚感すら感じ、自らの罪を喜んですらいる。あらゆる価値が抱える皮肉により生まれた比喩な敏感な理想を駆逐するために読んだ戦艦や、戦意を削ぐために宦官として手を加えられた人々の渦や、即座に現れる醜さの原型や制限の痕、悔恨の柩で眠り、メモリーを消去しながら、修羅を生きる私の無垢な孤独、冷めた君の心情に吐瀉する女神や、擦り寄るほどにリアリズムは損なわれ、そこかしこで羽化する理由が浪費する真実に引き込まれては、自分を見失ってばかりいるんだ。私たちの正義は、すぐさま潰えた。足を引っ張り合うだけの退屈な闘争から逃げ出し、誰もいないところで、あたかも誰かいるような感覚を捉え、延々と超越し続ける。