昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

オートマティズム

悲しみを含んだ言葉が砂のようにパラパラと落ちる。油分を含んだ愛が何にも混ざることなく分離して、ツルツルの床を二人で旅する。君は何かが足りない、と埋まることもない隙間や空白を掴んだり摘んだりしながら、ただ埋まらぬ満足と対立し、歪な信念や箴言なんかを受け取りながら、他人のような身体を引きずり、貧相な履歴を携え、延々と重複していくだけの現在から寝返り、孕んだ物語を確かなものに変えていく。聡明な運命を踏み締め歩くミシミシという音、今にも崩れ落ちそうな道筋を気ままに跳ね飛びながら歩き、塞ぎ込んでいる暇もないから、ウサギのようにぴょんぴょん跳ねるのだよ、と嘯きながら、物理的なものにがんじからめになっても尚、自分勝手に自分の生きたいように生きてきたし、これからも変わらないかもしれないし、突然変わるかもしれないし、知ったことを、知ったようにするのが嫌いで、自分が思う通りにしかできないし、やりたくもないからやらないし、だからといってやらせるわけにはいかないけど、やらなくたっていいんだよって言ったとしても、君は、いやそういうわけにはいかないんだって言うだけだし、私も聞く耳なんて持ってないし、持たされるものや、もたらされるものも嫌いであるし、生まれてこの方自由にしか生きないと決めたわけであるから、常に私は私の中で解放のために改ざんされることすらためらわないわけであるし、たわけ者であるし、ならず者でもあるし、誰かと仲良くなんてしたいわけでもないし、誰かと喧嘩したいわけでもないし、分け隔てなく生きたいつもりではあるが、期待もしてないし、期待なんてしてほしくもないし、保身なんてクソ喰らえだし、空疎な自分をパテなんかでぺたぺた埋めたくもないし、機械的でもあるし、機会なんて損なうばかりだし、素っ気ないし、デリカシーもないし、過信ばかりだし、改造済みだし、打算的だし、惰性に生きながらえているだけだし、と忙しくもないし、退屈でもないし、窮屈でもないわけである。f:id:jibmfmm:20210910073854j:image