昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

誰もが通り過ぎるだけの街

なれあいばかりでなあなあになる午後、吸血する動物たちがモラリストたちを討つ夜、野望が闊歩し、流行病がのらりくらりと彷徨う幼稚な分岐点、レイシズムがあやす赤子が泣き喚き、機械的なシンドロームが謳う神聖さなどに裁かれる日々や、疎ましく絡まる季節的な憎しみが敷衍して、やがてはここでの思いも昇華して、詩的な生業だけに活き活きとしていく風景だけが、この世界に生命を授けるのであり、怖気付くだけの君が思い描く幸せと、誰かの幸せは違うのであり、誰かと君は、似ても似つかないのに、共通点なんかを探して、無理やり近付こうとするのは薄気味悪いし、そんなふうにして距離を縮めようなどと促す限りは、限りあるものの中で雲散霧消していくだけであるし、君と彼女や彼の関係などは、軽薄なもので縁取られ、戯けている間に崩壊していくだけであるし、あらゆる意味の中で複製され、復元されるものに寄りかかり、限りあるものの中で匿われている日々の花や魚として生きるみたいな突拍子もなく、際限なく離れていくような考えでしか、この絶え間ない憎悪や、絶え間ない悪意や、怠慢な正義などは乗り越えられずに、善悪に左右され、偏りを示した思想に閉じ込められ、生きた化石みたいになるか、はたまた稼ぐために国に枷を嵌められ、強迫観念により、正しいものを間違った風に受け入れては、あたかも正しく綺麗なもののように感じさせられているようでは、そのまま皆の中に居るようで、ほんとうは孤立していることにも気付かずに、大勢の中では、ひとりひとりは孤独であることから逃げるように、同一化し、過信ばかりを促し、日々喘ぐばかりである。